(読み)せん

精選版 日本国語大辞典 「繊」の意味・読み・例文・類語

せん【繊】

〘名〙
小数単位。一の一〇〇〇万分の一。微の一〇分の一、沙の一〇倍。
② 「せんろふ(繊蘿蔔)」の略。
※料理物語(1643)一二「ぞろりことは いりこをせんにきざみ、よくゆにして、小鳥かもなどをたたき入」
繊維。「繊維」という訳語が定着する以前の語。
※重訂解体新書(1798)一「繊 虚勃拉(ヒブラ)羅。歇泄冷(ヘーセレン)蘭」
④ (形動タリ) しなやかで細いさま。かぼそいさま。きゃしゃ。
※思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉八「繊たる一少女子の為めに」 〔劉孝威‐奉和逐涼詩〕

そび・ゆ【繊】

〘自ヤ下二〙 ほっそりとする。すらりとする。しなやかで、なまめかしいさまである。
紫式部日記(1010頃か)寛弘六年正月一日「せんじの君はささやけ人の、いとほそやかにそひへて」
[補注]「そいゆ(そひゆ)」とする説がある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「繊」の意味・読み・例文・類語

せん【繊〔纖〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]セン(呉)(漢)
ほそい。こまかい。「繊維繊細繊繊繊毛
繊維。「化繊
難読巻繊けんちん

せん【繊】

繊蘿蔔せんろふ」の略。「大根に切る」
数の単位。1の1000万分の1。→くらい[表]

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