(読み)セン

デジタル大辞泉 「繊」の意味・読み・例文・類語

せん【繊〔纖〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]セン(呉)(漢)
ほそい。こまかい。「繊維繊細繊繊繊毛
繊維。「化繊
難読巻繊けんちん

せん【繊】

繊蘿蔔せんろふ」の略。「大根に切る」
数の単位。1の1000万分の1。→くらい[表]

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精選版 日本国語大辞典 「繊」の意味・読み・例文・類語

せん【繊】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 小数の単位。一の一〇〇〇万分の一。微の一〇分の一、沙の一〇倍。
  3. せんろふ(繊蘿蔔)」の略。
    1. [初出の実例]「ぞろりことは いりこをせんにきざみ、よくゆにして、小鳥かもなどをたたき入」(出典:料理物語(1643)一二)
  4. 繊維。「繊維」という訳語が定着する以前の語。
    1. [初出の実例]「繊 虚勃拉(ヒブラ)羅。歇泄冷(ヘーセレン)蘭」(出典:重訂解体新書(1798)一)
  5. ( 形動タリ ) しなやかで細いさま。かぼそいさま。きゃしゃ。
    1. [初出の実例]「繊たる一少女子の為めに」(出典:思出の記(1900‐01)〈徳富蘆花〉八)
    2. [その他の文献]〔劉孝威‐奉和逐涼詩〕

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普及版 字通 「繊」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 17画

(旧字)纖
人名用漢字 23画

[字音] セン
[字訓] いと・ほそい・こまかい

[説文解字]

[字形] 形声
旧字は纖に作り、(せん)声。(せん)は殲滅、多くの人の首を戈(か)ではねる形。韭(きゆう)を加えて、細密に切る意となり、糸に施して細い糸をいう。〔説文〕十三上に「細きなり」とあって、糸すじの細いもの。繊維のほか、すべて繊細なものをいう。

[訓義]
1. ほそいいと、ほそい。
2. こまかい、ささやか、しなやか、かぼそい、つつましやか。

[古辞書の訓]
名義抄〕纖 ホソシ・マカリ・スクカナリ・ソヒヤカナリ 〔字鏡集〕纖 チヒサシ・ヒソカニ・スクナシ・ヒソヤカ・マリリカ・ホソシ・マサリカナリ・ヌク・マカリ・ソヒヤカナリ

[語系]
纖・孅siamは同声。孅は〔説文〕十二下に「兌細(えつさい)なり」(段注本)とみえる。sham十二上は「好手の皃なり」とあって、ほっそりとした手をいう。その手をまた繊手といい、繊繊と形容する。

[熟語]
繊阿・繊埃・繊悪・繊維・繊雲・繊翳・繊影・繊鋭繊婉・繊繊瑕・繊歌・繊・繊介・繊弓繊鉅・繊曲・繊形・繊隙・繊穴・繊月・繊・繊・繊健繊枯・繊垢・繊巧繊毫・繊刻繊穀・繊罪・繊指繊疵繊悉・繊質・繊弱・繊手・繊秀・繊柔繊冗・繊条・繊繊嗇繊縟・繊身・繊人・繊塵繊毳・繊・繊繊・繊繊仄・繊足繊佻・繊刀繊佞繊魄・繊薄・繊微・繊眉・繊美・繊靡・繊末・繊密・繊妙・繊毛・繊冶・繊約・繊葉・繊腰・繊羅・繊利・繊柳・繊流・繊吝・繊綸・繊・繊麗・繊論・繊惑
[下接語]
玉繊・洪繊・毫繊・至繊・繊・尖繊・微繊・粉繊

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