言兼ねる(読み)イイカネル

デジタル大辞泉 「言兼ねる」の意味・読み・例文・類語

いい‐か・ねる〔いひ‐〕【言(い)兼ねる】

[動ナ下一][文]いひか・ぬ[ナ下二]
断言できなかったり、支障があったりして、言うのがためらわれる。言いたくても言えないでいる。「はっきりしたことは―・ねる」
打消しの助動詞を伴って、言う可能性がある、言いそうである、の意を表す。「あの人なら、それくらいは―・ねない」
[類語](1言い渋る言い淀む口ごもるむっつり黙る黙りこくる沈黙押し黙る黙する黙り込む無言黙黙だんまり箝口かんこう緘黙かんもく無口寡黙寡言黙秘うんともすんともノーコメント口を閉ざす口を閉じる口を結ぶ口をつぐむ口を塞ぐ口を封じる口が重いおくびにも出さないむすっと黙過もっか完全黙秘口重くちおも口重い黙止暗黙言わず語らず口が堅い言葉を呑む言を左右にする口を濁す言葉を濁す

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精選版 日本国語大辞典 「言兼ねる」の意味・読み・例文・類語

いい‐か・ねるいひ‥【言兼】

  1. 〘 他動詞 ナ行下一段活用 〙
    [ 文語形 ]いひか・ぬ 〘 他動詞 ナ行下二段活用 〙 適当な言葉が見つからなかったり相手に気がねしたりして、言いたくても言えない。言うのをためらう。打消の助動詞「ず」「ない」を伴って、「言う可能性が大きい」「言いそうである」の意に用いる。→かねる
    1. [初出の実例]「さても又いつぞとだにもいひかねてむせぶ涙におき別ぬる〈永福門院〉」(出典:風雅和歌集(1346‐49頃)恋二・一一一八)
    2. 「人中にて長口上もいひかねず」(出典:浮世草子・日本永代蔵(1688)六)

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