口を噤む(読み)クチヲツグム

デジタル大辞泉 「口を噤む」の意味・読み・例文・類語

くちつぐ・む

(「つぐむ」が五段活用の場合)口を閉じて開かない。話すのをやめる。「言いかけて、あわてて―・む」
(「つぐむ」が下二段活用の場合)口をとがらせてものを言う。
「―・めぬ者はなかりけり」〈太平記二五
[類語]黙る沈黙黙りこくる押し黙る黙する黙り込む口を閉ざす口を閉じる口を結ぶ口を塞ぐ口を封じる口が重いおくびにも出さない無言黙黙だんまり箝口かんこう緘黙かんもく無口寡黙寡言黙秘うんともすんともむっつりノーコメントむすっと黙過もっか完全黙秘口重くちおも口重い黙止暗黙言い渋る言い兼ねる言い淀む口ごもる言わず語らず口が堅い言葉を呑む言を左右にする口を濁す言葉を濁す

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「口を噤む」の意味・読み・例文・類語

くち【口】 を 噤(つぐ)

  1. ( 「つぐむ」が四段活用の場合 ) 口をしめて開かない。口を閉じてものを言わない。黙る。口を閉じる。
    1. [初出の実例]「臣敢へて諫(いさめ)を献ぜず、只群臣口を噤(ツク)み、万人目を以てす」(出典:太平記(14C後)四)
    2. 「いたく口(クチ)を鉗(ツグマ)せられたれば、物こそいひがたけれ」(出典:読本椿説弓張月(1807‐11)後)
  2. ( 「つぐむ」が下二段活用の場合 ) 口をとがらせて言う。熱中してものを言うさまなどに用いる。
    1. [初出の実例]「『女房の四十に余て始て懐妊する事や有るべし』と口を噤(ツク)めぬ者は無りけり」(出典:太平記(14C後)二五)

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