口籠もる(読み)クチゴモル

デジタル大辞泉 「口籠もる」の意味・読み・例文・類語

くち‐ごも・る【口籠もる】

[動ラ五(四)]
言葉や声が口の中にこもってはっきりしない。「―・った声」
返答に窮したり、言いづらい事情があったりして、言うのをためらう。また、途中で言うのをやめる。「厳しく追及されて―・る」
[類語](1舌たるい舌もつれ舌もじり小舌たるい口下手訥弁とつとつ舌足らず口重話し下手口不調法/(2言い兼ねる言い渋る言い淀むむっつり黙る黙りこくる沈黙押し黙る黙する黙り込む無言黙黙だんまり箝口かんこう緘黙かんもく無口寡黙寡言黙秘うんともすんともノーコメント口を閉ざす口を閉じる口を結ぶ口をつぐむ口を塞ぐ口を封じる口が重いおくびにも出さないむすっと黙過もっか完全黙秘口重くちおも口重い黙止暗黙言わず語らず口が堅い言葉を呑む言を左右にする口を濁す言葉を濁す

く‐ごも・る【口籠もる】

[動ラ五(四)]くちごもる。
出鱈目でたらめを―・りがちに言って」〈二葉亭浮雲

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精選版 日本国語大辞典 「口籠もる」の意味・読み・例文・類語

くち‐ごも・る【口籠】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. 声やことばが口の中にこもってはっきりしない。くごもる。
    1. [初出の実例]「自昨日辰刻口籠。去夜絶入」(出典吾妻鏡‐仁治元年(1240)正月二四日)
    2. 「苦む声が口籠って外へ漏れませぬ」(出典:真景累ケ淵(1869頃)〈三遊亭円朝〉七七)
  3. 言いこめられたりして、ことばにつまる。どもる。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「サアそれはエエト口塞(クチゴモル)を見て」(出典:滑稽本・八笑人(1820‐49)二)
  4. 言いかけてやめる。言いしぶる。ためらって、はっきりと言わない。
    1. [初出の実例]「何処だへ、この近所かねと問はれては猶口隠(クチゴモ)り」(出典:人情本・閑情末摘花(1839‐41)三)
    2. 「吉川夫人の名を云はうとして、一寸口籠った時」(出典:明暗(1916)〈夏目漱石〉一四六)

く‐ごも・る【口籠】

  1. 〘 自動詞 ラ行四段活用 〙くちごもる(口籠)〔改正増補和英語林集成(1886)〕
    1. [初出の実例]「流石にしばし口籠(クゴモ)りて」(出典:即興詩人(1901)〈森鴎外訳〉落飾)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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