中部地方と近畿地方の各地域を相互に連絡する高速道路。管理は西日本高速道路。(1)起点の名古屋市から、三重県四日市(よっかいち)市、奈良県天理(てんり)市、大阪市を経て、大阪府吹田(すいた)市で名神高速道路と中国縦貫自動車道に接続する名古屋大阪線、(2)三重県亀山市で名古屋大阪線と分岐して、三重県伊勢(いせ)市に至る伊勢線、(3)大阪府松原市で名古屋大阪線と分岐し、南下して紀伊半島沿線を通過し、三重県多気(たき)町で伊勢線に接続する紀勢(きせい)線、(4)吹田市から兵庫県三木(みき)市までは中国縦貫自動車道を重複して利用し、三木市の吉川ジャンクションから北上して、京都府舞鶴(まいづる)市を経て福井県敦賀(つるが)市に至る敦賀線、(5)名古屋市から三重・滋賀県を経て神戸市に至る名古屋神戸線(新名神高速道路)の5路線がある。総延長978キロメートル、計画車線数は、伊勢線の伊勢西インターチェンジ―伊勢インターチェンジ間が2車線、その他区間が4~6車線(一部暫定2車線)となっている。この道路は、中部地方、近畿地方の主要拠点間の時間距離を短縮している。さらに、名古屋市では名古屋第二環状線の一部となり、大阪では大阪中央環状線の一部となっており、大都市交通の混雑を緩和し、都心部に集中している諸機能の周辺部への立地を誘導するなど、都市構造の再編成を促進する役割ももっている。
2011年(平成23)12月時点で、名古屋大阪線のうち、名古屋市―亀山市間(東名阪(ひがしめいはん)自動車道)86キロメートル、天理市―松原市間(西名阪(にしめいはん)自動車道)27キロメートル、松原市―吹田市間(近畿自動車道)28キロメートルが開通している。なお、亀山市―天理市間は、自動車専用道路の名阪国道によりつながっている。伊勢線(伊勢自動車道)は亀山市―伊勢市間69キロメートルが全線開通している。また紀勢線のうち、松原市―和歌山県有田川町間(阪和(はんわ)自動車道)83キロメートル、和歌山県御坊(ごぼう)市―同田辺(たなべ)市間(阪和自動車道)27キロメートル、三重県多気町―同大紀(たいき)町間は、24キロメートルが開通している。なお、有田川町―御坊市間は、自動車専用道路の湯浅(ゆあさ)御坊道路(国道42号)によりつながっており、田辺市―大紀町間は未開通となっている。敦賀線(舞鶴若狭(わかさ)自動車道)は三木市―福井県小浜市間112キロメートル、名古屋神戸線(新名神高速道路)は伊勢湾岸自動車道区間である愛知県飛島(とびしま)村―四日市市間19キロメートルおよび亀山市―滋賀県大津(おおつ)市間41キロメートルが開通している。和歌山県田辺市―同すさみ町間、三重県尾鷲(おわせ)市―同紀北(きほく)町間については、国土交通大臣が整備主体となる新直轄方式で建設されている。
[下保 修]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
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