酸鼻(読み)サンビ

デジタル大辞泉 「酸鼻」の意味・読み・例文・類語

さん‐び【酸鼻】

[名・形動]むごたらしくいたましいこと。また、そのさま。「酸鼻をきわめる」「酸鼻事件
[類語]陰惨むごいむごたらしい無残血なまぐさい残酷残虐残忍苛酷暴虐悲惨凄惨惨憺さんたんひどい痛ましい痛痛しい見るに忍びない目も当てられない冷酷冷血血も涙もない酷薄暴戻ぼうれい凄愴せいそう惨烈酷烈戦慄惨劇猟奇猟奇的嗜虐しぎゃく嗜虐しぎゃくすさまじいグロテスク阿鼻叫喚目を背ける

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「酸鼻」の意味・読み・例文・類語

さん‐び【酸鼻・惨鼻】

  1. 〘 名詞 〙 ひどく心を痛めて、悲しむこと。また、いたましくむごたらしいさま。「酸鼻の極(きわみ)
    1. [初出の実例]「貧生之養母、見之増悲、寡婦之提孩対之酸鼻」(出典経国集(827)一・和和少輔鶺鴒賦〈仲雄王〉)
    2. 「現実の酸鼻ゆえに、土地によってその姿の特にかわることもない星の光のみが、記憶として残るのだ」(出典:堕落(1965)〈高橋和巳〉四)
    3. [その他の文献]〔漢書‐鮑宣伝〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「酸鼻」の読み・字形・画数・意味

【酸鼻】さんび

鼻に通るほどの悲しみ。〔後漢書、竇融伝〕隗囂(くわいがう)(光武にく)を讓(せ)むるの書、痛(はげ)しきこと骨髓に入る。~忠臣は則ち酸涕し、義士は則ち曠(あき)らかなること、を發(ひら)くが(ごと)し。

字通「酸」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android