名勝松島を構成する島の一で、小島・御島とも書く。仙石線松島海岸駅の南東四〇〇メートル、
雄島の性格は観応年間(一三五〇―五二)にこの地を訪れた宗久の「都のつと」に最もよく描写されている。すなわち「それよりすこしへたゝりて小島あり、これなんをしまなるへし、小舟につなをつけて、くり返しつゝかよふ所なり、(中略)此国の人はかなく成にける遺骨ををさむる所なり、その外発心の人のきりたる、もとゆひなともおほくみゆ」とある。この性格は江戸時代以降も続き、芭蕉の「おくのほそ道」には「雄島が磯は地つゞきて海に出たる島也。(中略)
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
福井県の北西端、坂井市(さかいし)三国町安島(みくにちょうあんとう)の沖合いにある小島。周囲約4キロメートル。約220メートルの雄島橋で安島地区と結ばれている。全島はねずみ色の輝石安山岩からなり、とくに柱状節理がよく発達している。北東部は季節風を受けることが少ないので、タブノキなどの常緑広葉樹が繁茂して、大湊神社(おおみなとじんじゃ)の社叢(しゃそう)をつくっている。同社の祭神は事代主命(ことしろぬしのみこと)、少彦名命(すくなひこなのみこと)で、航海、漁業の守護神として信奉されてきた。本殿・拝殿・男神坐像(ざぞう)は県指定文化財。三国駅から安島までバス20分、下車後徒歩10分。また東尋坊(とうじんぼう)から遊覧船も出ている。
[印牧邦雄]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
…宮戸島),富山(117m),扇谷,多聞(たもん)山(50m)は松島四大観(壮観,麗観,幽観,偉観)と称される。 海岸付近には史跡が多く,1609年(慶長14)に再建され,国宝・重要文化財の多い伊達家の菩提寺瑞巌(ずいがん)寺,藩主の観月の場となり〈月見の御殿〉と呼ばれた観瀾亭,坂上田村麻呂の創建と伝え,後に伊達政宗が再建した五大堂,円通院霊屋,陽徳院霊屋があり,渡月橋を渡った雄島(千松島)には奥州三古碑の一つといわれる頼賢(らいけん)碑があり,岩壁には卒塔婆の形を彫った跡が多い。松島湾の支湾塩釜湾の奥には奥州一宮の塩竈(しおがま)神社が鎮座する。…
…近くの松林を縫う遊歩道には,高見順,三好達治,高浜虚子,森田愛子ら三国にゆかりのある詩人の文学碑が立ち並ぶ。東尋坊の景観の一部となる北に浮かぶ雄島はカンラン石輝石安山岩の板状節理を見せ,タブノキ,シイを主とする典型的な照葉樹林をもつ。島内には式内社とも伝える海上安全の神大湊神社が鎮座する。…
※「雄島」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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