(読み)クビ

デジタル大辞泉「首」の解説

くび【首/×頸】

脊椎動物の頭と胴をつないでいる部分。頸部(けいぶ)。
1の上の部分全体。あたま。かしら。こうべ。「―をかしげる」
1に似た形。また、それに該当する部分。「びんの―」
衣服の1にあたる部分。襟。「セーターの―」
(「馘」とも書く)職をやめさせること。解雇。馘首(かくしゅ)。「お前は―だ」
顔。特に美しい顔。また、美人。
「かかる所には看板の―といふものありて」〈洒・浪花色八卦〉
[下接語]青首足首猪(い)首後ろ首打ち首腕首襟首欠き首合点首兜(かぶと)首鎌(かま)首雁(がん)首切り首綺麗(きれい)首螻蛄(けら)首小首晒(さら)し首思案投げ首縛り首白首(しろくび・しらくび)素(そ)首素っ首乳首鶴(つる)首手首投げ首生首偽(にせ)首抜け首寝首喉頸(のどくび)平(ひら)首穂首丸首轆轤(ろくろ)首

しゅ【首】[漢字項目]

[音]シュ(呉) [訓]くび こうべ かしら しるし はじめ おびと
学習漢字]2年
〈シュ〉
頭。「首級首足鳩首(きゅうしゅ)頓首(とんしゅ)馬首
頭と胴の間の部分。くび。「縊首(いしゅ)絞首
いちばん始め。さき。第一位。「首位首相首席首都巻首期首船首
上に立つ人。かしら。「首脳元首党首頭首
詩歌を数える語。「百人一首
罪を白状する。「自首
〈くび〉「首筋首輪足首乳首(ちくび)手首生首寝首
[名のり]おぶと・かみ・さき
[難読]匕首(あいくち)首途(かどで)螻蛄首(けらくび)

お‐びと【首】

《「おおひと(大人)」の音変化という》
長官。首領。
「汝(な)は我が宮の―たれ」〈・上〉
古代の姓(かばね)の一。伴造(とものみやつこ)など地方の小豪族に与えられた。おうと。

こうべ〔かうべ〕【首/頭】

《「髪辺(かみへ)」または「上部(かみへ)」の音変化か》くびから上の部分。あたま。かしら。「―を垂れる」「正直の―に宿る」

しゅ【首】

[名]主だった者。かしら。
[接尾]助数詞。漢詩や和歌を数えるのに用いる。「律詩三」「返し歌一

しるし【首/首級】

《「」と同源》討ち取った首。しゅきゅう。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典「首」の解説

お‐うと【首】

〘名〙 「おびと(首)」の変化した語。

しゅ【首】

[1] 〘名〙
① あたま。くび。〔詩経‐邶風・静女〕
② 主だった者。最上位にあるもの。かしら。
※妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)五「一一の菩薩、みな、これ大衆の唱導の首(シュ)として」
③ はじめ。もと。
※史記抄(1477)三「司馬遷が黄帝を五帝之首へ取たほどに」
※小学読本(1884)〈若林虎三郎〉二「此の巻の教授術は〈略〉略(ほぼ)第一巻の首に掲げたる所の如しと雖も」
④ 罪を犯した発頭人。首謀。
※三代格‐二〇・宝亀一一年(780)一一月二日「共犯罪者。以造意首。随従者減一等
[2] 〘接尾〙 漢詩や和歌を数えるのに用いる。
※万葉(8C後)二・一三一・題詞「柿本朝臣人麻呂従石見国妻上来時歌二首并短歌」 〔漢書‐蒯通伝〕

お‐びと【首】

〘名〙 (「おほひと(大人)」の変化した語といわれる)
① 首長。長官。おふと。
※書紀(720)成務四年二月(熱田本訓)「是れ国郡に君長(ひとごのかみ)無く、県邑に首渠(オヒト)無ければなり」
② 大化前代の姓(かばね)の一つ。臣(おみ)、連(むらじ)などより低い地位の氏に与えられたもので、初期の伴造(とものみやつこ)に与えられた。天武天皇一三年(六八四)の八色姓(やくさのかばね)で廃止されたが、非公式には通用していた。おふと。
※書紀(720)敏達二年七月(前田本訓)「難波の船の人大嶋首磐日・狭丘首(さをかのオヒト)間狭を以て」

おふと【首】

〘名〙 =おびと(首)
※書紀(720)景行四〇年七月(熱田本訓)「村(ふれ)に長(ひとごのかみ)無く、邑に首(オフト)勿し」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典「首」の解説


おびと

の一つ。この姓には2系統がある。一つは地名とする県主,稲置など領首的性格をもつもの。一つは職名,部曲名を氏とする伴造的性格をもつもの。『日本書紀』によれば天武 13 (684) 年の八色の姓 (やくさのかばね) にはなく,首姓の一部は新姓忌寸 (いみき) を与えられたが,多くは旧姓のまま据置かれた。その後,奈良時代にも首姓を賜わっているが,天平勝宝9 (757) 歳,聖武天皇 (いみな) 「首」を避けて「毗登 (ひと) 」姓に改め,次いで宝亀1 (770) 年もとに復した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

旺文社日本史事典 三訂版「首」の解説


おびと

大和政権の姓 (かばね) の一つ
地方豪族や伴造氏族に与えられた。684年の八色の姓 (やくさのかばね) で廃止され第8位の稲置になった例が多い。

出典 旺文社日本史事典 三訂版旺文社日本史事典 三訂版について 情報

世界大百科事典 第2版「首」の解説

おびと【首】

日本古代の姓(かばね)の一つ。古くは統率者をあらわす称呼であったものが姓となる。主として地方の県主(あがたぬし)・稲置(いなぎ),および部民(べみん)の統率者,または屯倉(みやけ)の管理者に与えられた。県主の例として志紀県主の志紀首,稲置の例として伊賀の稲置代首,部民の統率者の例として赤染部の統率氏族の赤染部首,そして屯倉の管理者の例として新家屯倉の新家首にみられる。称呼としての古い用例には,埼玉県行田市稲荷山古墳から出土した鉄剣銘の〈杖刀人首〉,《日本書紀》清寧2年11月条の〈縮見(しじみの)屯倉首〉がある。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

世界大百科事典内のの言及

【伴造】より

…大和朝廷を構成する諸氏族の首長をいう。〈ばんぞう〉ともいう。…

【短歌】より

…5句31拍に合わない作を〈破調〉といい,長すぎるものを〈字あまり〉,短いものを〈字足らず〉と呼ぶ。また〈首(しゆ)〉という単位を用いて,1首,2首というふうに数える。《万葉集》以来の数え方である。…

※「首」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について | 情報

今日のキーワード

緑酒

〘名〙 緑色の酒。よい酒。うまい酒の色としていう。※菅家文草(900頃)五・雨晴対月「緑酒猶催醒後盞、珠簾未レ下暁来鈎」※一高寮歌・嗚呼玉杯に花うけて(1902)〈矢野勘治〉「嗚呼玉杯に花うけて 緑酒...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android