(読み)おびと

  • ▽首
  • ▽首/▽頭
  • ▽首/首=級
  • おうと
  • おふと
  • くび
  • こうべ〔かうべ〕
  • しゅ
  • しるし
  • 漢字項目
  • 首/×頸

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

の一つ。この姓には2系統がある。一つは地名とする県主,稲置など領首的性格をもつもの。一つは職,部曲名を氏とする伴造的性格をもつもの。『日本書紀』によれば天武 13 (684) 年の八色の姓 (やくさのかばね) にはなく,首姓の一部は新姓忌寸 (いみき) を与えられたが,多くは旧姓のまま据置かれた。その後,奈良時代にも首姓を賜わっているが,天平勝宝9 (757) 歳,聖武天皇 (いみな) 「首」を避けて「毗登 (ひと) 」姓に改め,次いで宝亀1 (770) 年もとに復した。

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デジタル大辞泉の解説

《「おおひと(大人)」の音変化という》
長官。首領。
「汝(な)は我が宮の―たれ」〈・上〉
古代の姓(かばね)の名の一。伴造(とものみやつこ)など地方の小豪族に与えられた。おうと。
脊椎動物の頭と胴をつないでいる部分。頸部(けいぶ)。
1の上の部分全体。あたま。かしら。こうべ。「―をかしげる」
1に似た形。また、それに該当する部分。「びんの―」
衣服の1にあたる部分。襟。「セーターの―」
(「馘」とも書く)職をやめさせること。解雇。馘首(かくしゅ)。「お前は―だ」
顔。特に美しい顔。また、美人。
「かかる所には看板の―といふものありて」〈洒・浪花色八卦〉
[下接語]青首足首猪(い)首後ろ首打ち首腕首襟首欠き首合点首兜(かぶと)首鎌(かま)首雁(がん)首切り首綺麗(きれい)首螻蛄(けら)首小首晒(さら)し首思案投げ首縛り首白首(しろくび・しらくび)素(そ)首素っ首乳首鶴(つる)首手首投げ首生首偽(にせ)首抜け首寝首喉頸(のどくび)平(ひら)首穂首丸首轆轤(ろくろ)首
《「髪辺(かみへ)」または「上部(かみへ)」の音変化か》くびから上の部分。あたま。かしら。「―を垂れる」「正直の―に宿る」
[名]主だった者。かしら。
[接尾]助数詞。漢詩や和歌を数えるのに用いる。「律詩三」「返し歌一
[音]シュ(呉) [訓]くび こうべ かしら しるし はじめ おびと
学習漢字]2年
〈シュ〉
頭。「首級首足鳩首(きゅうしゅ)頓首(とんしゅ)馬首
頭と胴の間の部分。くび。「縊首(いしゅ)絞首
いちばん始め。さき。第一位。「首位首相首席首都巻首期首船首
上に立つ人。かしら。「首脳元首党首頭首
詩歌を数える語。「百人一首
罪を白状する。「自首
〈くび〉「首筋首輪足首乳首(ちくび)手首生首寝首
[名のり]おぶと・かみ・さき
[難読]匕首(あいくち)首途(かどで)螻蛄首(けらくび)
《「」と同源》討ち取った首。しゅきゅう。

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世界大百科事典 第2版の解説

日本古代の姓(かばね)の一つ。古くは統率者をあらわす称呼であったものが姓となる。主として地方の県主(あがたぬし)・稲置(いなぎ),および部民(べみん)の統率者,または屯倉(みやけ)の管理者に与えられた。県主の例として志紀県主の志紀首,稲置の例として伊賀の稲置代首,部民の統率者の例として赤染部の統率氏族の赤染部首,そして屯倉の管理者の例として新家屯倉の新家首にみられる。称呼としての古い用例には,埼玉県行田市稲荷山古墳から出土した鉄剣銘の〈杖刀人首〉,《日本書紀》清寧2年11月条の〈縮見(しじみの)屯倉首〉がある。

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大辞林 第三版の解説

首長。統率者。 汝は我が宮の-たれ/古事記 上訓
上代の姓かばねの一。地方の土豪や中央の下級官人の姓。八色やくさの姓の制により廃止。
[1]
第一の地位にある者。主だった者。
接尾
助数詞。漢詩や和歌を数えるのに用いる。 勅撰集に五-がとられる

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精選版 日本国語大辞典の解説

〘名〙 「おびと(首)」の変化した語。
〘名〙 (「おほひと(大人)」の変化した語といわれる)
① 首長。長官。おふと。
※書紀(720)成務四年二月(熱田本訓)「是れ国郡に君長(ひとごのかみ)無く、県邑に首渠(オヒト)無ければなり」
② 大化前代の姓(かばね)の一つ。臣(おみ)、連(むらじ)などより低い地位の氏に与えられたもので、初期の伴造(とものみやつこ)に与えられた。天武天皇一三年(六八四)の八色姓(やくさのかばね)で廃止されたが、非公式には通用していた。おふと。
※書紀(720)敏達二年七月(前田本訓)「難波の船の人大嶋首磐日・狭丘首(さをかのオヒト)間狭を以て」
〘名〙 =おびと(首)
※書紀(720)景行四〇年七月(熱田本訓)「村(ふれ)に長(ひとごのかみ)無く、邑に首(オフト)勿し」
[1] 〘名〙
① あたま。くび。〔詩経‐邶風・静女〕
② 主だった者。最上位にあるもの。かしら。
※妙一本仮名書き法華経(鎌倉中)五「一一の菩薩、みな、これ大衆の唱導の首(シュ)として」
③ はじめ。もと。
※史記抄(1477)三「司馬遷が黄帝を五帝之首へ取たほどに」
※小学読本(1884)〈若林虎三郎〉二「此の巻の教授術は〈略〉略(ほぼ)第一巻の首に掲げたる所の如しと雖も」
④ 罪を犯した発頭人。首謀。
※三代格‐二〇・宝亀一一年(780)一一月二日「共犯罪者。以造意首。随従者減一等
[2] 〘接尾〙 漢詩や和歌を数えるのに用いる。
※万葉(8C後)二・一三一・題詞「柿本朝臣人麻呂従石見国妻上来時歌二首并短歌」 〔漢書‐蒯通伝〕

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旺文社日本史事典 三訂版の解説

大和政権の姓 (かばね) の一つ
地方豪族や伴造氏族に与えられた。684年の八色の姓 (やくさのかばね) で廃止され第8位の稲置になった例が多い。

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世界大百科事典内のの言及

【伴造】より

…大和朝廷を構成する諸氏族の首長をいう。〈ばんぞう〉ともいう。…

【短歌】より

…5句31拍に合わない作を〈破調〉といい,長すぎるものを〈字あまり〉,短いものを〈字足らず〉と呼ぶ。また〈首(しゆ)〉という単位を用いて,1首,2首というふうに数える。《万葉集》以来の数え方である。…

※「首」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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