出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
岐阜県高山市の春秋の祭り。高山市を南北に分け、南は山王(さんのう)社(日枝(ひえ)神社)の氏子、北は桜山八幡(はちまん)(八幡神社)の氏子になっている。日枝神社の祭りは4月14、15日で山王祭といい、八幡神社の祭りは10月9、10日(もとは旧暦9月14、15日)で八幡祭といった。高山祭(山王祭と八幡祭)の特色は、豪華な屋台の練行(れんぎょう)である。本居宣長(もとおりのりなが)の弟子、田中大秀(おおひで)が、神社を復興し神事を盛大にするため始めたといわれており、文化・文政(ぶんかぶんせい)(1804~1830)のころ、舶来の織物や材料をふんだんに使い、彫刻の名人を抱え、莫大(ばくだい)な財力を投じて屋台30台をつくった。その後保存と修理に努めて、いまは春祭12台、秋祭11台が曳(ひ)き出される。四輪の台車の上に三段重ねの屋台を構えたもので、上段は4本柱に切妻屋根をかけ、中段には氈(せん)を巡らし、黒漆で全体を塗って金色の金具が打ち付けてある。上段には各町内で趣向を凝らした人形を設け、下の台の中で綱によって操作して踊りをさせるものもある。当日は神輿(みこし)の渡御(とぎょ)に続いてこの屋台を繰り出し、囃子(はやし)につれて市中を練る。この行事は、国の重要無形民俗文化財の指定を受けており、代表的な屋台は屋台会館に展示され、観覧することができる。
[井之口章次]
『山本茂実著『高山祭』(朝日文庫)』
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…宮川の両岸に発達した市街地には,国の重要伝統建築物保存区域に指定された上二之町,上三之町の町屋など城下町の古い町並みがみられ,国史跡の国分寺塔跡,高山陣屋跡,重要文化財の町家建築日下部(くさかべ)家住宅,吉島家住宅,松本家住宅,また室町時代建造の国分寺本堂,日枝神社,照蓮寺,大雄寺などの古社寺も多い。高山祭は,4月14~15日(日枝神社),10月9~10日(八幡神社)の春秋2回行われ,国の重要民俗文化財に指定された豪華な屋台(山車)が練り歩く。屋台の一部は平常は屋台会館に展示されている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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