「書紀‐神武即位前」に「金色霊鵄(こがねのあやしきとび)」が神武天皇に勝利をもたらしたことが記されており、トビは古くは霊鳥と見なされていたようである。
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建築や土木作業で足場の組立てなど雑務を行う者。鳶職,鳶の者,鳶人足,仕事師ともいう。トビという職名は,彼らが鳶口または鳶と称する樫棒の先に鋼鉄製の鉤(かぎ)をつけた道具を携行することに由来する。鳶口は川狩や木場など木材を扱う者の道具で,火消にも使用され,火消人足も鳶とか鳶の者と呼ばれた。《守貞漫稿》には〈火消人足は平日土木の用を業とし,京坂に云手伝と同き也。火場に出るに各自必ず鳶口と号す具を携ふが故に,彼輩を鳶の者とも云,又仕事師と云〉とある。実際,江戸,大坂ともに火消人足は土木建築の鳶で組織されており,両者は同義で使われた。しかし,建築人足の鳶は必ずしも鳶口を使う者とは限らず,大工の手伝いや杭打ちなどをするため,京坂では手伝い,手伝い人足とも呼ばれた。
鳶は今日でも土建業者の下請作業に従事しているが,それぞれの縄張りを有していて正月の松飾や祭礼の際の飾付けを請け負ったり,正月の注連飾を売る店を出したりする。頭(かしら)に統率された縄張仕事は,江戸時代に町抱人足だったころの名残とされている。鳶は印袢纏,腹掛,股引姿という粋な服装をし,かつての作業唄に由来する〈木遣り〉を職業歌としてうたい,出初め式に勇壮なはしご乗りを披露するなど特異な風俗や任俠の気風を残している。しかし,社会や生活事情が激変しつつある現在では,鳶風俗は珍しいものになってしまった。
執筆者:西 和夫+村下 重夫
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…袖の代りにケープが付く。名はスコットランドの都市インバネスにちなむもので,幕末に洋服をとり入れた日本でもこれが着用され,その形から鳶(トンビ)と呼ばれた。福沢諭吉が片山淳之助の名で著した《西洋衣食住》(1867)に,〈合羽 マグフエロン 日本ニテ俗ニトンビト云〉とある。…
…寒さや雨雪を防ぐために衣服の上に着用する外衣。語源はポルトガル語のカパcapaで,16世紀後半,日本に来航したポルトガル人やスペイン人などが着ていた〈袖もなくすそ広きもの〉(《四季草》)にちなむ。織田信長,豊臣秀吉,足利義昭など当時の支配者たちは早速これをまねて,西洋から献上された最高級羊毛布地の〈猩々緋(しようじようひ)〉(赤紫色)で同形のものを作らせ,カッハ,カハン,カッパなどと称して身辺に置き,権威の象徴とした。…
…最も外側に着用する,袖のついた長い丈の衣服。日本では外套ともいう。語源は,西ヨーロッパ中世に着用されたコットcotteに由来する。外側に着る同種のガウン,ローブ,マント,ジャケットなどとの区別は歴史的に明らかでないが,今日では丈の短い上衣のジャケットとは区別して使われる。一般にはオーバーコート,レインコートなど防寒,防塵,防雨または装飾としても着用されるものを指すが,モーニングコート,フロックコートなどのように表着(うわぎ)化したものもある。…
※「鳶」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...
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