平らでどこまでも延びている面を平面という。平面については、次の〔1〕〔2〕〔3〕が基本となる。〔1〕平面上の2点を通る直線はこの平面に含まれている(一直線上にない3点を含む平面は一つあって一つに限る( の(2))。〔3〕二つの平面に共有点があるときは、一直線を共有する( の(3))。二つの平面に共有点がないとき、この二平面は平行であるという。また、二平面α、βが一直線を共有するとき、α、βは交わるといい、その一直線を交線という。交線上の点を通ってこれに垂直な直線を二平面α、β上で引くとき、それらの垂線のつくる角の大きさをα、βのつくる角といい、とくにこの角が直角のときα、βは垂直であるという。
の(1))。〔2〕空間の座標について、x、y、zの一次方程式ax+by+cz+d=0を満たす(x,y,z)を座標にもつ点の全体は平面になっている。つまり、この一次方程式は平面を表す。
[栗田 稔]
空間に1直線lとその上にない1点Oがあるとき,Oをl上の各点に結ぶ直線の全体が描く図形が平面であるといえるし,また,空間に1点Oと一次独立な二つのベクトルa,bがあるとき,Oを始点とする位置ベクトルがaとbの一次結合であるような点P全体のつくる集合が平面であるといえる。さらに,解析的には,平行座標系を用いたとき,一次方程式ax+by+cz+d=0(a,b,c,dは定数)を満たす座標(x,y,z)をもつ点の集合が平面であるといえる。しかしながら,完全な論理体系として幾何学を構成しようとすれば,平面は点,直線とともに無定義術語として,これらの相互間の関係を与える公理によって規定するという方法をとらざるを得ない。
執筆者:中岡 稔
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