地球上を緯度とほぼ並行して取り巻く類似した気候の地帯。地球上に海陸あるいは山岳がなければ、地表面に到達する太陽エネルギーは緯度によって決まる。このため、気候は緯度によって異なるはずである。この立場から、もっとも単純な気候帯の区分を数理気候帯とよび、南北回帰線の内側を熱帯、回帰線と極圏の間を温帯、極圏より高緯度側を寒帯とする。実際の気候はさらに複雑になるので、ズーパンは1879年に各地の年平均気温から、20℃以上を熱帯、10~20℃を温帯、10℃未満を寒帯とした。またケッペンは1923年に、気候を視覚的に把握できる植生の差に一致するように、温度条件を考慮して区分を行った。このように気候帯の区分は基準の取り方により多様な方法が可能である。気候を成因から考えていく近代気候学の立場からは、ソ連のアリソフB. P. Alisov(1891―1972)が1950年に前線帯の季節変動との関係から、赤道気団地帯、赤道季節風地帯、熱帯気団地帯、亜熱帯地帯、中緯度気団地帯、亜極地帯、極気団地帯に区分した。またドイツのフローンHermann Flohn(1912―1997)は1950年に、降水特性と風系帯から7気候帯に、ドイツのヘイヤーErnst Heyer(1912―1987)は1963年に、大気大循環の季節変動から同様に7気候帯に区分している。
このようにして設定された一つの気候帯のなかでも、たとえば海岸と内陸、高山など、あるいは年間を通じて多雨、夏に多雨、冬に多雨と降水の年間配分に注目するなど、同一気候帯内での気候の差が明らかになるように細分化されたものが気候区である。
[吉村 稔]
地球上の気候分布はマクロスケールで見ると,太陽放射量の分布に大きく左右されて,緯度にほぼ平行な帯状の地域に区分できる。このような気候区分地域を気候帯という。古代ギリシアの学者たちによってクリマータklimataと呼ばれたのがはじまりで,数理気候的には両回帰線によって挟まれた熱帯,回帰線と極圏との間の温帯,極圏内の寒帯に分けられる。また,物理気候的な立場から気温を用いて気候帯を決めたものを温度帯という。しかし,実際の気候は緯度以外の水陸分布や地形などの因子によって著しく影響されるので,境界線は必ずしも緯度に平行にはならない。そこでズーパンA.Supanは年平均気温20℃,10℃をそれぞれ熱帯,温帯,寒帯の境界線とした。また,W.P.ケッペンは樹木の生育限界に着目し,月平均気温がある一定の温度を越える月の数を使って気候帯を設定した。近代気候学の観点からは,フローンH.Flohnが降水の特性と気圧および風系帯を組み合わせて,熱帯,熱帯外帯,亜熱帯乾燥帯,亜熱帯冬雨帯,湿潤温帯,冷帯,亜寒帯,寒帯の八つに分けている。アリソフB.P.Alisovは気団や前線帯の位置から,赤道気団地帯,赤道季節風地帯,熱帯気団地帯,亜熱帯地帯,中緯度気団地帯,亜北極地帯,北極地帯,南極地帯に分けた。気候帯は地球を取り巻く帯域をつくるとは限らず,さらに細分されると気候区となる。
→気候区分
執筆者:山下 脩二
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climatic zone
地球上の気候を特性によって数個に大別して得られた地帯のこと。古代ギリシアの学者によりクリマータ(climata)として識別された熱帯・温帯・寒帯が始まりで,境界は回帰線と極圏を用いた。水陸分布・起伏などの影響で気候の分布は緯線に平行でないので,気候学者により各種の気候帯が提案された。気温特性で区分するものが多く,A.Supan(1879)・W.Köppen(1884,1918)のものが有名。これらは厳密には気候帯といえず温度帯である。その後,動気候学の観点から,気温・降水特牲を含んだ気団,風系の概念を用いた気候帯が区別された。B.P.Alisov(1950)・H.Flohn(1950)のものが代表的。
執筆者:前島 郁雄・田中 博
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