笑う(読み)ワラウ

デジタル大辞泉 「笑う」の意味・読み・例文・類語

わら・う〔わらふ〕【笑う】

[動ワ五(ハ四)]
1 喜び・うれしさ・おかしさ・照れくささなどの気持ちから、顔の表情をくずす。また、そうした気持ちで声を立てる。「腹を抱えて―・う」「目だけが―・っている」
2 (「嗤う」とも書く)あざけりばかにする。嘲笑ちょうしょうする。「一円を―・う者は一円に泣く」「間の抜けた失敗をして―・われる」
3 (「笑ってしまう」「笑っちゃう」の形で)あまりひどくて、相手にするのもばかばかしいほどである。「何でも知っていますというあの態度は本当に―・っちゃうね」
4 花のつぼみが開く。また、果物が熟して裂ける。「栗が―・う」
5 春になって、芽が出たり花が咲いたりして、明るいようすになる。俳句など、文学的表現に用いる。「山―・う」
6 ゆるんだりほどけたりする。ほころびる。また、足取りがしっかりしなくなる。「歩き疲れて膝が―・う」
[可能]わらえる
[下接句]今泣いた烏からすがもう笑う・鬼が笑う・最後に笑う者が最もよく笑う・泣いても笑っても・膝ひざが笑う・目糞めくそ鼻糞を笑う・山笑う・来年の事を言えば鬼が笑う
[類語]微笑む・笑む・笑い飛ばす・笑い崩れる・笑い転こける・笑い転げる・笑いさざめく・嘲笑あざわらう・薄笑う・せせら笑う・吹き出す・ほくそ笑む・にこつく・にたつく・にやつく・若気にやける・脂やに下がる・相好を崩す・腹の皮を捩よじる・腹の皮を縒よる・腹を抱える・御中おなかを抱える・頤おとがいを解く・目を細める・一笑に付す・冷笑・嘲笑・失笑

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精選版 日本国語大辞典 「笑う」の意味・読み・例文・類語

わら・うわらふ【笑・咲・嗤】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ワ行五(ハ四) 〙
    1. ① 喜びやおかしさなどの心情を、声または顔の表情で表出する。おかしがって顔をくずし声をたてる。哄笑(こうしょう)する。えむ。
      1. [初出の実例]「微笑 下音焼 訓和良布」(出典:新訳華厳経音義私記(794))
      2. 「これを聞て、はなれ給ひしもとの上ははらをきりてわらひ給ふ」(出典:竹取物語(9C末‐10C初))
      3. 「二三十人が音して拍子をとり喚叫。はと笑(ワラヒ)、どと笑など」(出典:源平盛衰記(14C前)二六)
    2. ② つぼみが開く。花が咲く。えむ。
      1. [初出の実例]「はら筋をよりてや笑ふ糸ざくら」(出典:俳諧・綾錦(1732)上)
    3. ③ 果実が熟して裂け開く。えむ。
      1. [初出の実例]「ほつごんと笑ふて栗の落にけり〈沙龍〉」(出典:俳諧・俳諧新選(1773)三)
    4. ④ 春になって、芽が出たり、花が咲いたりして景色が明るく見える。→笑う山。
    5. ⑤ 縫い目が解ける。ほころびる。→わらいかける③。
    6. ⑥ ( 「膝がわらう」の形で ) (膝の)力が抜けて、がくがくする。
    7. ⑦ ( 「笑っちゃう」の形で ) あまりひどくて、問題にならないように見える。笑わせる。
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ワ行五(ハ四) 〙 あざける。ばかにして声をたてたり、顔をくずしたりする。嘲笑する。あざわらう。
    1. [初出の実例]「汝若し、使を遣して来り告ぐること無からましかば殆に天の下に取嗤(ワラハ)れなまし」(出典:日本書紀(720)継体元年正月(前田本訓))
    2. 「其の工(たく)み不ることを哂(ワラ)ひたまひて」(出典:大慈恩寺三蔵法師伝承徳三年点(1099)七)
    3. 「これら文学者のマルクス主義理解の皮相さをわらうのはたやすい」(出典:日本の思想(1961)〈丸山真男〉二)

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