
して、霊の降下を求める意。その神霊の告げるところを詔という。〔説文〕三上に「
ぐるなり」とあり、詔誥の意とする。秦以後、天子の勅命をいう。
字鏡〕詔 奈豆久(なづく)、
、与不(よぶ) 〔名義抄〕詔 ツグ・ヲシフ・ミチ・オモナフ・オツル・ミチ・タスク・オホセノモト・メス・ソシル/詔旨 コトトフニ 〔字鏡集〕詔 ワラフ・ツグ・ヲシフ・ミチ・ヨキコトバ・オホセ・ミコト・ノタマフ・メス・ヲモノフ・ヲクル・ソシル・タスク
、召di
は声義近く、召は神霊の降下を求めて祈る、招はその動作・行為、神の告げるところを詔という。詔はのち詔勅の意となる。出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
天皇のことばそのもの,または天皇のことばを宣(の)べ伝えること,あるいはその文書。法隆寺金銅薬師像の推古15年(607)の銘に見える〈詔〉は天皇のことばを意味し,《日本書紀》大化元年(645)条に〈巨勢徳太臣,高麗使に詔す〉と見えるのは,詔が天皇のことばを宣べ伝える意味に用いられた例である。やがて令の制定により公文書制度が整えられるに従い,詔も文書として記されるようになり,天皇のことばをそのまま和文で表現する詔すなわち宣命と,中国風の漢文の詔の両様式が成立した。この詔書の書式および作成・施行の手続を定めたのが,大宝・養老公式令の詔書式である。詔書式は詔書の冒頭の文言として〈明神御宇日本天皇詔旨〉以下5形式を定めているが,これらの文言は実例では宣命体の詔に見られるものであるから,書式例は宣命体のものを掲げたことが知られる。しかし詔書の作成・施行の手続については,宣命体,漢文体の双方について規定したと考えるべきであろう。《延喜式》中務式に見える漢文体の詔書の書式は,詔書式を補足する規定であると考えられる。これらから知られる詔書作成・施行の手続は次のとおりである。すなわち内記が起草した本文に,天皇が宸筆で日付を書き加える。これを御画日といい,案として中務省に保管される。別に1通を写して内印を加え,中務卿,大輔,少輔が位署して太政官へ送る。太政官では太政大臣以下が署名し,大納言が覆奏する。裁可になれば宸筆で可の字が加えられ,案として保管される。さらに1通を写し,宣告を行った後施行される。施行の方法については《令義解》に,在京諸司に対しては詔書の写しに官符をそえ,諸国に対しては詔書を写した官符を作成して施行するとあり,《類聚符宣抄》に元慶9年(885)の詔書を施行する官符の実例が見られる。詔書の原本として,1489年(延徳1)や1789年(寛政1)の改元の詔書が伝えられているが,これらには宸筆の画日や画可が加えられており,詔書式の書式にのっとっていることが知られる。
→勅
執筆者:柳 雄太郎
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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