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 ちょく

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説


ちょく

天皇の意志を下達する際の文書形式で,通常の小事は勅 (書) をもって伝えられた。また大臣の上表に対して勅答する場合も勅書の形を用いた。発布手続は複雑で,天皇に近侍する女官である内侍から中務 (なかつかさ) 省,さらに太政官を経て発布された。

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デジタル大辞泉の解説

ちょく【勅】

天子の命令。天皇の言葉。また、それを記した文書。みことのり。「を奉じる」
尊貴の者からの命令。
「仏の―に依りて」〈今昔・三・二六〉

ちょく【勅〔敕〕】[漢字項目]

常用漢字] [音]チョク(漢) [訓]みことのり
天子の言葉や命令。みことのり。「勅語違勅詔勅神勅奉勅密勅
天子に関する物事に添える語。「勅許勅裁勅使勅撰(ちょくせん)
[名のり]ただ・て・とき

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百科事典マイペディアの解説

勅【ちょく】

勅書

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世界大百科事典 第2版の解説

ちょく【勅】

天皇の意志またはことば,あるいは律令などに一定の発行手続が定められている勅書。前者の勅が律令制成立以前から行われていたことは《日本書紀》によって知られるが,金石文にも天智7年(668)の船首王後墓誌に,舒明天皇のとき,勅により大仁品を賜ったことが見える。律令制が成立すると,勅授,勅任,勅処分の勅のように,天皇の意志またはことばを意味する場合とともに,公式令に一定の書式と手続が定められた勅書をも指すこととなった。

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大辞林 第三版の解説

ちょく【勅】

天皇の命令。また、それを伝える文書。臨時の大事に用いる詔に対して、通常の小事を伝えるときに使う。
神仏の仰せ。神勅。

出典|三省堂
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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


ちょく

詔書(しょうしょ)と並んで天皇の意思を下達する、公式令(くしきりょう)勅旨式条に定められた文書様式。勅旨ともいう。詔書との区別について、(1)臨時の場合に詔書、尋常の場合に勅旨、(2)大事に詔書、小事に勅旨、(3)臨時の大事に詔書、尋常の小事に勅旨、(4)宣命(せんみょう)すべきときに詔書、そうでないときに勅旨、をそれぞれ用いるとするなど明法(みょうぼう)家の間でも諸説がある(『令集解(しゅうげ)』公式令詔書式条)。
 養老(ようろう)令によれば、勅旨は、五衛府(えふ)・左右内兵庫(ひょうご)に直接伝達される場合を除き、(1)「受勅人」による勅旨の中務(なかつかさ)省への伝達、(2)内記(ないき)による勅旨本文と年月日の起草、(3)中務による天皇への直接覆奏(ふくそう)、(4)天皇の裁可、中務卿(きょう)・大輔(たいふ)・少輔(しょう)の加署、正文を中務省に留め写(うつし)一通を作成、(5)写一通の弁官への送付、(6)史(し)による「奉勅旨如右」以下の部分の起草と加署、(7)大弁・中弁・少弁の加署、これを弁官に留め案とする、(8)弁官での写一通の作成、施行、という手続を経ることになっていた。これに対し大宝(たいほう)令では、(A)勅旨を作成したうえで中務省から弁官を経て施行される方法、(B)中務省で作成した勅旨が弁官を経ることなく直接諸司に下され施行される方法、(C)緊急の施行に際して、勅旨を作成することなく中務省から勅命が諸司に伝達され、のちに正勅旨を作成する方法、の3種があった。養老令では、(B)を廃止し、(A)を基本とし、(C)を例外的措置としたが、(A)の方式の場合、詔書と同様、在京諸司に対しては勅旨に太政官符(だいじょうかんぷ)を副(そ)え、在外諸司に対しては謄(とう)勅官符を作成し頒下(はんか)された。
 公式令勅旨式条による書式そのままのものは現存しないが、正倉院には聖武(しょうむ)天皇勅施入願文、孝謙(こうけん)天皇施入勅、淳仁(じゅんにん)天皇東大寺封戸(ふこ)勅などの奈良時代の「勅書」が残されている。平安時代に入ると、宸筆(しんぴつ)の勅書が現れ、また本来、詔書とは異なり、ないはずの「御画日(ごかくじつ)」「御画可(ごかくか)」の有無をめぐり、儀式書でもその書式についての混乱がみられるが、准三后(じゅさんごう)勅書・徽号(きごう)勅書や、摂関などの上表に対する勅答に際しての勅書として引き続き使用されている。[加藤友康]

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世界大百科事典内のの言及

【刑罰】より

…社会や家族のあり方が変化したため,律が現状に適合しにくい場合もでてきた。たとえば専売制など,国家の経済統制への違反は皇帝の直接的立法たる勅によらざるをえなかった。唐律は宋代まで受け継がれながら,勅は律よりも尊重され,編勅や勅令格式という新しい法典が編纂された。…

【裁判】より

…しかるに唐王朝はその中ごろから経済国家に変質し,塩酒の専売を行い,商品にも課税して(商税),その益金たる課利によって財政を支えた。そこで密売や脱税を厳しく取り締まり,半永久的な立法たる律に代わり,臨時に発布した便宜的の勅が主たる刑法となり,もっぱら経済事犯を処罰するために運営された。この勅の規定ははなはだ重いので文面どおりに施行すると濫刑におちいるおそれがあるので,政府はその実施に手心を加えねばならなかった。…

【中国法】より

…そこで唐王朝はその中期から変質して,経済国家に生まれ変わった。これとともに法制のうえでも旧来の律では新事態に対応することができなくなり,律に代わって勅が重要な位置を占めることになった。 唐王朝がその新経済政策を遂行するためには,専売品の密売,通行税の脱税などを厳しく取り締まらねばならなかった。…

【律令格式】より

…それが唐の中期に起こったので,令の精神は実行不能となり,あとに残るのは官制,職制の規程ぐらいである。均田制が崩壊すると政府は専売制度を創設し,その益金によって財政をまかなわねばならなくなり,これに対する密売を取り締まるため峻厳な刑法をその時々に発布し,これを勅と称した。勅の出現により律は骨抜きとなり,宋にいたって法典を総称するに,勅律令格式というが,多くは律を省略して勅令格式と称した。…

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