転ぶ(読み)コロブ

デジタル大辞泉 「転ぶ」の意味・読み・例文・類語

ころ・ぶ【転ぶ】

[動バ五(四)]
1 ころころと回転しながら進む。ころがる。「子犬が―・ぶように駆けてくる」
2 からだのバランスを失って倒れる。転倒する。「ぬかるみで滑って―・んだ」
3 物事の成り行きが他の方向に変わる。事態がある方向へ向かう。「どちらへ―・んでも大勢は変わらない」
4
㋐江戸時代、キリシタンが幕府に弾圧されて仏教に改宗する。
㋑権力や誘惑に負けて、今までの主義・主張などを変える。転向する。「金に―・んで言いなりになる」
5 芸者などがひそかに売春をする。
「二貫も御祝儀を遣りゃすぐ―・ぶっていうんで」〈荷風・腕くらべ〉
[可能]ころべる
[類語]転がる・転げる・こける・倒れる・ひっくり返る・覆くつがえる・転倒する・横転する・転覆する・倒壊する・卒倒する・昏倒こんとうする・潰れる

まろ・ぶ【▽転ぶ】

[動バ五(四)]
1 ころがる。
「犬のように―・びながら」〈有島・クララの出家〉
2 ひっくりかえる。倒れる。ころぶ。
「地響して横様に―・びしが」〈紅葉・金色夜叉〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「転ぶ」の意味・読み・例文・類語

ころ・ぶ【転】

  1. 〘 自動詞 バ五(四) 〙
  2. ① ころころと回転する。ころがる。まろぶ。
    1. [初出の実例]「『馬共おといてみん』とて、鞍をき馬をおいおとす。或は足をうちおって、ころんでおつ、或はさうゐなく落ちて行もあり」(出典:平家物語(13C前)九)
  3. ② 倒れる。現代では、人などがつまずいて倒れる場合にいう。こける。
    1. [初出の実例]「桑は上は小にして根が深う入た程に、根かへりがせいで始終ころばぬぞ」(出典:土井本周易抄(1477)二)
  4. ③ 横になる。臥す。寝ころぶ。
    1. [初出の実例]「僕はさっき芝生に転んでた時、柔かい草が身体に触っていい気持だったよ」(出典:人生の幸福(1924)〈正宗白鳥〉二)
  5. ④ キリシタンがその信仰を捨てて仏教などに改宗する。江戸時代、弾圧を受けたキリスト教徒についていう。転じて、自己の主義、主張を捨てて転向する。
    1. [初出の実例]「日本人のきりしたんころふと云をば、命をたすけ、ころはざるをば諸国にて死罪に行るること数百人におよべり」(出典:慶長見聞集(1614)三)
  6. ⑤ 男女が私通する。
    1. [初出の実例]「われらがやうなるいやしき雲の下人は〈略〉ころび申事も、中々わきまへざるなり」(出典:仮名草子・薄雪物語(1632)上)
  7. ⑥ 芸者、遊女、しろうと女などがひそかに売色する。
    1. [初出の実例]「京に京にはやる、おきゃがりこぼしやよ、とのだに見ればつひころぶ」(出典:虎明本狂言・二人大名(室町末‐近世初))
  8. ⑦ 物事のなりゆきが別の方向に変わる。ある事態になる。また、ある方向に気持が移る。なびく。
    1. [初出の実例]「望みといふは古風なお仕着(しきせ)、大概知れた紋切り形、女の手切れは、金と転(コロ)んで」(出典:歌舞伎・東海道四谷怪談(1825)四幕)
  9. ⑧ (「ころんでいる」の形で)何もしないでぶらぶらしている。
    1. [初出の実例]「其所で、何時迄転んで居てもしやうは無いから、と無理に勧めて同道して」(出典:少年行(1907)〈中村星湖〉一〇)

まろ・ぶ【転】

  1. 〘 自動詞 バ四段活用 〙
  2. ① ころがる。ころげる。
    1. [初出の実例]「まろふ玉あふ方つひにあるものをうちはへ恋ひばなどかとぞ思ふ」(出典:古今和歌六帖(976‐987頃)五)
  3. ② ひっくりかえる。倒れる。ころぶ。
    1. [初出の実例]「大地震ありき。古き堂のまろばぬなし」(出典:愚管抄(1220)五)

まる・ぶ【転】

  1. 〘 自動詞 バ四段活用 〙 =まろぶ(転)
    1. [初出の実例]「おつる・くづるる・やぶるる・まるぶなど申すは、強き響きなれば、ふりも強かるべし」(出典:風姿花伝(1400‐02頃)六)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

[名](スル)1 別の衣服に着替えること。特に夏冬の季節に応じて改めること。平安時代には、陰暦4月1日、10月1日に行われた。江戸幕府では、このほかに5月5日・9月9日などにも着替える定めがあった。現...

衣替えの用語解説を読む