然して(読み)サシテ

デジタル大辞泉 「然して」の意味・読み・例文・類語

さし‐て

[副]《動詞「さ(指)す」の連用形接続助詞「て」から》
(あとに打消しの語を伴って用いる)とりたてていうほど。それほど。たいして。「これはさして重要ではない」「さして遜色そんしょくはない」
特にそれと指して。とりわけ。
鎌倉殿に―申すべき大事ども候」〈平家一二
[補説]1は「然して」とも書くが、語源は「指して」と思われる。→さしたる
[類語]あまりさほど大してそれほどさしたるさまでそうそんなに満更まんざら必ずしもあながち一概にそんなそのようそうしたそういうさようさもさもさもしかなかなか取り立てて別段さのみさしもこれほどどれほどいかほど何ほどそれくらいこれくらいこのくらいこればかり

しか‐し‐て【然して/×而して】

[接]そして。それから。多く漢文訓読文に用いられる。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「然して」の意味・読み・例文・類語

そう‐して さう‥【然して】

接続〙 前の事柄に、後の事柄が並列的に付加されることを示す。それから。それに加えて。そのうえ。しかして。そして。そうて。
史記抄(1477)一七「諸侯が振驚して此間の侵奪たる地を還たぞ。さふして在位三十六年まで威勢があったぞ」
歌舞伎・暫(1714)「コリャ、誰だと思ったら、思ひも付かねへ大和屋の姉(あねへ)が、先へ引立(ひったて)とは、じゃうだん鯰を押へましょ。そうしてお前は、何んしに来たのだ」
※お目出たき人(1911)〈武者小路実篤〉一「すべての想像は華かな、明るい、甘い、さうしてまばゆい気まりのわるいものであった」

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