デジタル大辞泉
「あっけらかん」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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あっけら‐かん
- 〘 副詞 〙 ( 「あけらかん」の変化した語 )
- ① 手持ち無沙汰であるさま、何もすることがないさまを表わす語。
- [初出の実例]「Akkerakan(アッケラカン)ト シテ ヒ ヲ クラス」(出典:和英語林集成(初版)(1867))
- ② 意外な状況に直面したり、あきれはてたりして、ぽかんとしているさま、放心状態にあるさまを表わす語。
- [初出の実例]「今更お嬢さんにねとられましたからって、あっけらかんとしてゐられやアしません」(出典:藪の鶯(1888)〈三宅花圃〉一〇)
- ③ その場所にあるべき物がなく、がらんとしているさまを表わす語。
- [初出の実例]「町はあっけらかんと、人通りも少なかった」(出典:春夏秋冬帖(1965)〈安住敦〉まゆ玉)
- ④ 情趣や感興をわきたたせることもなく、空虚な印象を与えるさま、何事もないようなさまを表わす語。
- [初出の実例]「大きな井戸が〈略〉ただあっけらかんと日に照らされてゐたりした」(出典:医師高間房一氏(1941)〈田畑修一郎〉二)
- ⑤ 常識的、道徳的に考えれば当然あるはずの屈託、ためらい、恥じらいといった感情がなく、平然としているさまを表わす語。
- [初出の実例]「額に少し皺をよせるのだが、なんといふあっけらかんな顔つきだ」(出典:浅草紅団(1929‐30)〈川端康成〉四八)
あっけらかんの補助注記
⑤に挙げた「浅草紅団」の例は、「あっけらかんな」の形をとっていて形容動詞的であるが、便宜副詞に含めて扱った。しかし、野坂昭如の「とむらい師たち」には「本堂をみると雨戸すべてあけ放ち、アッケラカンに明るい」、柴田翔の「われら戦友たち‐二」には「底のないバケツのようなあっけらかんさにぶつかって」のような形も見られる。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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