(読み)ヨウ

デジタル大辞泉 「羊」の意味・読み・例文・類語

よう【羊】[漢字項目]

[音]ヨウ(ヤウ)(呉)(漢) [訓]ひつじ
学習漢字]3年
〈ヨウ〉動物の名。ヒツジ。「羊腸羊皮羊毛羊頭狗肉ようとうくにく餼羊きよう亡羊牧羊綿羊羚羊れいよう
〈ひつじ〉「小羊牡羊座
[難読]羚羊かもしか羊歯しだ山羊やぎ野羊やぎ

ひつじ【羊】

偶蹄ぐうてい目ウシ科ヒツジ属などの哺乳類総称中形で、毛は柔らかく、角は大きくて渦巻き状。主に地上の草をかみ切って食べ、群れで暮らす。地中海沿岸から中央アジア、北アメリカ西部の山岳地帯に分布し、ムフロンアルガリビッグホーンなどが含まれる。家畜化の歴史は古く、西アジアで主にムフロンより馴化じゅんか・改良された。羊毛用のほか毛皮用・肉用もあり、乳・脂肪も利用され、品種にはコリデールメリノ寒羊かんようなどがある。緬羊めんよう
[類語]綿羊ラム山羊羚羊かもしか羚羊れいよう

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「羊」の意味・読み・例文・類語

ひつじ【羊】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙
    1. ウシ科の哺乳類。ヤギに近縁で、多くはうず巻き状の角をもつ。体には柔らかくて長い巻き毛が密生。約一万年前に中近東で、野生種ムフロンを原種として家畜化されたとされる。毛は羊毛と呼ばれ毛織物の原料になるほか、肉・乳・皮も利用される。草食性で、性質はおとなしく群をなしてすむ。品種が多く、メリノ種などの毛用のほか肉用、毛肉兼用、乳用などに分けられる。世界各地で飼育され、特にオーストラリア、南アメリカなどに多い。日本でも明治以後に飼育が始められた。めんよう。
      1. [初出の実例]「百済、駱駝一匹・驢一匹・羊二頭・白雉一隻を貢れり」(出典:日本書紀(720)推古七年九月)
    2. ( は紙を好んで食うところから ) 紙のこと。また、紙製品、紙幣などのこと。
      1. [初出の実例]「ここにはなし地の硯箱(といひながらおろして)ときにひつじは中橋かね」(出典:洒落本・通人三国師(1781)発端)
    3. ( 紙(かみ)を同音の髪(かみ)に通わせて ) 髪結いまたは髪結床のことをいう。
      1. [初出の実例]「『かみゐどん』とは髪結殿の訛れるにて、これをしも『ひつじ』と呼るを、羊(ヒツジ)のかみをすくといふより、称へ来るとおぼえたるは」(出典滑稽本浮世床(1813‐23)初)
  2. [ 2 ] 謡曲唐土の桂陽国王秘蔵の羊を盗んだこうしょう夫婦を、子のこうはくが、帝に訴え出て、その功として両親助命をこい、許される。廃曲

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「羊」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 6画

[字音] ヨウ(ヤウ)
[字訓] ひつじ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
羊を前からみた形で、牛と同じかきかたである。〔説文〕四上に「なり」と畳韻を以て訓する。漢代の鏡銘や瓦(がせん)の類に、羊を(祥)の字に用いることが多いが、省文にすぎない。羊は羊神判に用い、・善の字は羊に従う。卜辞に羌人を犠牲とするものが多いが、かれらが牧羊族であったことと関連があるかもしれない。

[訓義]
1. ひつじ。
2. の省文、よい、めでたい、めでたいしるし。

[古辞書の訓]
和名抄〕羊 比之(ひつじ)〔名義抄〕羊 ヒツジ/羊角 シロウリ

[部首]
〔説文〕に羔(こう)・(たつ)・群・美・羌など二十五字を属し、〔玉〕になお約四十字を加える。羔・・美・羌などのほかは、おおむね形声字である。

[声系]
〔説文〕に羊声として・詳・(翔)・(養)・など十三字を収める。羌を亦声とするが、象形の字である。

[語系]
羊を相羊(しようよう)のように逍遥の意に用いるのは、畳韻連語の音の仮借。羊・佯・jiangは遙(遥)・搖(揺)jiと双声、逍遥・相羊は形況の語である。

[熟語]
羊禍・羊角・羊羊裘・羊牛羊羔・羊羊羹羊毫羊很羊豕・羊脂・羊肆・羊質・羊酒・羊棲・羊腸・羊・羊豚・羊乳・羊皮・羊髀・羊卜・羊毛・羊酪・羊欄・羊牢
[下接語]
羊・犠羊・駆羊・羯羊・犬羊・牽羊・羔羊・山羊・相羊・攘羊・神羊・喪羊・牴羊・羝羊・羊・亡羊・望羊・牧羊・綿羊・緬羊・野羊・羚羊

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

動植物名よみかた辞典 普及版 「羊」の解説

羊 (ヒツジ)

動物。ヒツジ属の動物の総称

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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