さ・サ(読み)さ

精選版 日本国語大辞典 「さ・サ」の意味・読み・例文・類語

さ【さ・サ】

〘名〙 五十音図の第三行第一段(サ行ア段)に置かれ、五十音順で第十一位のかな。いろは順では第三十七位で、「あ」のあと「き」の前に位置する。現代標準語の発音では、舌端と上の歯茎との間付近で調音される無声摩擦音 s と母音 a との結合した音節 sa にあたり、これを清音の「さ」という。これに対して、「さ」に濁点をつけた「ざ」は、s に対応する有声摩擦音 z の結合した音節 za にあたるが、z が摩擦をはじめる前に舌端が歯茎に触れて破裂音を伴い有声破擦音 dz となるのが普通である。ただし、音韻としては za と dza とは区別されない。「さ」の字形は「左」の草体から出たもの、「サ」の字形は、「散」の初三画をとったもの、また「薩」の冠という説もある。ローマ字では、「さ」に sa、「ざ」に za をあてる。

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