精選版 日本国語大辞典「はったり」の解説
はったり
〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
① ゆったりと十分であるさまを表わす語。
(イ) 酒の燗(かん)の適当なさま。
※俳諧・胴骨(1678)何者「兼好もかんにんつよい世の中に〈西国〉 はったりとして一盃なる口〈由平〉」
(ロ) ゆとりがあって、こせつかないさま。
※絅斎先生敬斎箴講義(17C末‐18C初)「己に汚(けがれ)ぬやうにと計り思て、はったりと覚悟することがなかったぞ」
② 動作や状態が急激に転換したり、ある動作・状態に集中したりとらわれたりするさまを表わす語。はたと。
※俳諧・伊勢俳諧新発句帳(1659)冬「はったりと水に戸たつる氷かな〈好孝〉」
はっ‐たり
〘名〙 (動詞「はる(張)」の連用形に完了の助動詞「たり」が付いて一語化した語)
① なぐること。他人をおどすこと。
② けんかなどをしかけて、金品を強奪すること。ゆすり。恐喝(きょうかつ)。また、強盗、追剥ぎをいう。〔浄瑠璃・双蝶蝶曲輪日記(1749)〕
③ 相手をおどすようにおおげさに言ったり行動をしたりすること。実際以上に見せようとして、おおげさにふるまうこと。また、そのふるまい。
※花冷え(1938)〈久保田万太郎〉五「化けて出る位のハッタリがあれば心配はねえ」
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