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アレルギー あれるぎー

妊娠・子育て用語辞典の解説

あれるぎー【アレルギー】

語源はギリシャ語。「変わった(変えられた)働き」です。関係しているのは、人間の免疫システム。免疫は本来、人の体を守る仕組みですが、ときに過剰反応し、不快な症状を引き起こすことがあります。それがアレルギーです。

出典|母子衛生研究会「赤ちゃん&子育てインフォ」指導/妊娠編:中林正雄(愛育病院院長)、子育て編:多田裕(東邦大学医学部名誉教授) 妊娠・子育て用語辞典について | 情報

知恵蔵の解説

アレルギー

抗原にさらされた時、個体が正常よりも過敏な反応を起こし、組織障害を起こした状態。過敏症ともいう。アレルギーの原因になる抗原をアレルゲンという。アレルギーは即時型アレルギー遅延型アレルギーに大別される。即時型アレルギーは抗原の刺激を受けて、数分から数時間で反応が現れる。反応には抗体が関わるので、体液性アレルギーともいわれ、I〜III型に分類されている。遅延型アレルギーは24〜48時間後に生ずる。感作リンパ球が関わる細胞性免疫が関与し、IV型アレルギーとも呼ばれる。I型アレルギーはIgEという抗体が関係しており、気管支喘息、アレルギー性結膜炎、全身性アナフィラキシーショック、アレルギー性鼻炎、アレルギー性胃腸炎、花粉症などがある。II型、III型アレルギーには多くの自己免疫疾患が含まれる。IV型アレルギーでは結核の病巣形成などがその代表例で、接触性皮膚炎などもIV型アレルギーによって起こる。

(今西二郎 京都府立医科大学大学院教授 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について | 情報

百科事典マイペディアの解説

アレルギー

1906年オーストリアピルケClemens Peter Jodanm von Pirqetの提唱した概念で,生体がある病気を経過したり,異種物質で処置されたのち,〈反応能力の変化〉をきたすことを意味した。
→関連項目アナフィラキシーアレルゲン化学物質過敏症仮性クループ金属アレルギー抗原抗体反応細胞性免疫特異体質パッチテストリウマチ

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とっさの日本語便利帳の解説

アレルギー

異物が生体に侵入すると免疫応答が起こり、異物体外に排除しようとする。この防衛反応が過剰に働き、自己の組織にも障害を及ぼす状態。その原因物質がアレルゲン。

出典|(株)朝日新聞出版発行「とっさの日本語便利帳」とっさの日本語便利帳について | 情報

栄養・生化学辞典の解説

アレルギー

 ある種の抗原にさらされた個体が再びその抗原に接したときに有害な免疫反応を起こす過敏な状態.環境因子(ダニ,花粉など),薬物などに対する過敏の状態をいう場合が多い.

出典|朝倉書店栄養・生化学辞典について | 情報

世界大百科事典 第2版の解説

アレルギー【allergy】

ギリシア語のallos(違った,変わった)とergon(作用,能力)を合成した語で,オーストリアの小児科医ピルケーClemens F.von Pirquet(1874‐1929)が1906年に発表した論文《アレルギー》で用いたのが初めである。〈変化した反応能力〉〈変作動〉という意味で,ある外来性の物質と接した生体が,この物質に対して,それまでとは変わった反応性を示す場合を指す。たとえば,ペニシリンの注射を受けているうちに,この薬剤に対して過敏となり,ペニシリンの注射によってショック死を起こすような場合(ペニシリンショック)や,魚や卵を食べると蕁麻疹(じんましん)が起こるような場合がこれに一致する。

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大辞林 第三版の解説

アレルギー【Allergie】

本来なら無害であるはずの抗原に対する免疫反応によって引き起こされる疾患。すなわち、ある種の物質の摂取または接触により生体内に抗体が作られ、同じ物質の再摂取または再接触により抗原抗体反応が起きて病的症状が現れる状態。そのしくみの違いから四つないし五つの型に分類される。
ある物事を頭から拒否する心理的反応。 「核-」 「数字-」

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

アレルギー
allergy

生体が,侵入してきたある異物 (抗原) によって感作されて,その異物に再度接触した場合に過敏な反応を示すことがある。この反応を抗原抗体反応という。本来,防御的に作用する機構であるが,これが過剰に反応しすぎて生体に不利に働き,病的な過程を示す場合を,アレルギーという。アレルギーはギリシア語で変った働きという意味で,1906年にオーストリアの小児科医 C.ピルケが初めてアレルギー理論を提唱した。抗原に接触してから反応が現れるまでの時間によって,即時型と遅延型に分けられ,即時型反応としては,アナフィラキシー,アルチュス現象,鼻アレルギー,アトピー性皮膚炎,気管支喘息,血清病などが,遅延型反応には,ツベルクリン反応などが属する。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

アレルギー
あれるぎー
allergy

生体は異種の物質(抗原、アレルゲン)に対して特異的な免疫応答、すなわち抗原と特異的に反応する抗体とリンパ球を生じ、ふたたび抗原と遭遇すると種々の免疫反応をおこす。この免疫応答ないし免疫反応は、生体の自己保存のための重要な防御機構の一つで、通常生体に対し保護的に作用するが、ときにこの機構が生体に不利に作用し、障害を与えることがある。これがアレルギーである。すなわち「アレルギーとは、免疫反応により引き起こされた生体の全身性ないし局所性の障害である」と定義される。
 1906年オーストリアの小児科医ピルケにより初めて用いられたアレルギーということばは、ギリシア語のallos(変じた)とergo(作用、能力)とをいっしょにしたもので、「変化した反応能力」を意味し、その概念は前述の定義とはやや異なっている。ピルケによりこのようなことばが提唱された背景には、19世紀後半から20世紀初頭にかけてのベーリングと北里柴三郎(しばさぶろう)によるジフテリアおよび破傷風に対する抗毒素血清療法の成功や、リシェのアナフィラキシーをはじめとする種々の過敏症hypersensitivityの発見がある。免疫immunityということばは元来が感染に対する抵抗力、すなわち「疫を免れる」という意味で用いられたものである。この狭義の免疫と過敏症とは一見逆の現象であるが、いずれも抗体という共通の基盤によりおこることが明らかとなるに至り、アナフィラキシーをはじめとする過敏症の発見(これらは、抗毒素免疫の研究中にみいだされたという経緯がある)により混乱をきたした免疫の概念を整理するため、免疫と過敏症を包括する概念としてピルケにより提唱されたのがアレルギーということばである。しかしながら、その後の医学の進歩に伴い、免疫反応を基盤としておこる種々の疾患があることが明らかとなるにしたがい、アレルギーということばは、ピルケの意図したものとは異なり、しだいに過敏症のみをさすことになり、現在では前述の定義のように、免疫反応によりもたらされる生体の障害がアレルギーとよばれている。なお、過敏症とは、語義的には生体の刺激に対する異常に強い反応性を意味するが、通常、アレルギーと同義語として用いられる。[高橋昭三]

免疫応答

生体は抗原に遭遇すると複雑な免疫応答を生ずるが、これはB細胞系の作用、すなわち抗体による体液性免疫と、T細胞系の作用による細胞性免疫(遅延型反応、細胞傷害性反応)とに大別される。免疫応答をつかさどる免疫系のおもな細胞はリンパ球、マクロファージであるが、これらの細胞はいずれも骨髄に存在する幹細胞から分化する。リンパ球系幹細胞からはT細胞とB細胞が出現するが、T細胞系からはそれぞれ異なる機能をもつ遅延型反応性T細胞(感作(かんさ)Tリンパ球)、キラーT細胞、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞などが分化し、B細胞は最終的には多種多様の抗体を産生する抗体産生細胞(形質細胞)に分化する。すなわち、抗原が体内に入るとマクロファージに取り込まれ、その抗原情報がT細胞およびB細胞に伝達される。B細胞は形質細胞に分化して抗体を産生し、T細胞は感作Tリンパ球、キラーT細胞に分化するが、これらの過程は、それぞれ促進的、抑制的に作用するヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞により調節されている。
 免疫応答には、かつて遭遇したことのある抗原に対してのみ引き起こされるという特異性があり、また自己と非自己を識別し、自己体成分に対しては免疫応答を示さない(ただし、ときに自己の体成分に対し免疫応答を生ずることがあり、その結果、生体が障害を受けるのが自己免疫疾患である)、過剰の反応を生じないよう調節されているなどの特徴がある。[高橋昭三]

アレルギー反応の型

どのような仕組みによりアレルギー症状が出現するかをクームスとジェルは4型に分けており、世界的に広く用いられている。従来、アレルギー反応は反応出現の遅速により即時型と遅延型の二つに大別されていたが、両者の根本的な違いは、前者には抗体による体液性免疫が関与しているのに対し、後者には感作Tリンパ球を主とする細胞性免疫が関与していることである。型反応は従来の即時型反応に、型反応は遅延型反応に該当する。
(1)型(アナフィラキシー型)反応 型反応は、主としてIgE抗体(血清中に含まれる免疫グロブリンimmunoglobulin=IgにはIgEのほかにIgG、IgM、IgA、IgDの計五つがある。免疫反応に関与するグロブリンという意味で免疫グロブリンという名称がつけられている)によりおこるアレルギー反応で、この型反応でおこる疾患には、ペニシリンなどの薬剤、抗血清療法などにより生ずるアナフィラキシーショック、アレルギー性鼻炎、花粉症、気管支喘息(ぜんそく)、じんま疹(しん)などがある。
 抗原刺激により産生されたIgE抗体は、組織に存在するマスト細胞(肥満細胞)や血中の好塩基球の細胞膜に結合する。このような感作された状態にあるヒトの体内にふたたび抗原が入ってくると、抗原は細胞膜に結合したIgE抗体と抗原抗体反応をおこし、この刺激により細胞内で一連の反応を生じてヒスタミン、SRS‐A(slow reacting substance of anaphylaxis)などの化学伝達物質chemical mediatorsが細胞外に遊離され、平滑筋収縮、毛細血管透過性亢進(こうしん)、腺(せん)分泌亢進などをおこしてくる。したがって、抗原の体内侵入経路の相違や抗原抗体反応が全身性におこるか、局所性におこるかによって、アナフィラキシーショック、気管支喘息、あるいはじんま疹といったように症状の違いが出てくる。
 型反応でおこる疾患は、遺伝的素因が密接な関係をもっており、アトピー性疾患ともいわれるが、これらの疾患では抗原の体内侵入後に症状が出現するのが早いのも一つの特徴である。抗原検索のためよく用いられる皮膚反応でも、原因抗原の皮内注射により15~20分で最高に達し、1~2時間以内に消失する発赤を伴った膨疹を生ずるように、典型的な即時型アレルギーである。
(2)型(細胞障害型)反応 型反応は、細胞膜自身が抗原となるか、またはハプテン(たとえば薬剤などのように小分子で、単独では抗体産生能力はないが、タンパク質などの高分子物質と結合すると抗体を産生できるようになるもの)の結合した細胞膜が抗原となり、これに対して産生された抗体が細胞膜に作用して、細胞溶解をはじめとして種々の障害を細胞におこすものである。この反応に関与する抗体は、IgGまたはIgM抗体で、通常補体(C1~C9に至る九つの主成分からなり、C1はC1q, C1r, C1sの3成分から構成されている)の助けを必要とする。
 型反応によりおこる疾患には、不適合輸血、自己免疫性溶血性貧血、薬剤による溶血性貧血、顆粒(かりゅう)球減少症、栓球(血小板)減少性紫斑(しはん)病などがあり、血液中の血球成分が侵される疾患が多いが、血液疾患以外にも型反応の関与している疾患は少なくない。
(3)型(アルサス型、免疫複合体障害型)反応 型反応では、抗原の到達経路の違いにより、血管内(流血中)またはその周囲の組織で抗原抗体反応がおき、その結果形成された抗原抗体結合物(免疫複合体immune complex)が血管壁や組織に沈着し、さらにこの免疫複合体に補体が結合して補体が活性化され、血管や組織が障害される。型反応に関与する抗体は通常IgG抗体であるが、IgM抗体によることもある。ある抗原で免疫(感作)されたウサギの皮内に抗原を注射すると、6~8時間後に、発赤、浮腫(ふしゅ)、出血壊死(えし)をおこしてくる。これがアルサスArthus反応とよばれるものである。
 型反応によりおこる代表的疾患は、異種抗毒素血清注射により生ずる血清病である。血清病では、発熱、種々の紅斑(こうはん)性ないしじんま疹様皮疹、リンパ節腫脹(しゅちょう)、関節痛ないし関節炎、腎(じん)炎、血管炎などがみられるが、薬剤アレルギーでも類似症状を生ずることがあり、血清病型といわれている。種々の血管炎、連鎖球菌感染後の急性糸球体腎炎や全身性エリテマトーデスにみられる腎炎も型反応で生ずる。アレルギー性気管支肺アスペルギルス症、農夫肺症をはじめとする種々の過敏性肺臓炎(外因性アレルギー性肺胞炎)にも型反応が関与している。
(4)型(遅延型、ツベルクリン型)反応 原型ともいうべきものはツベルクリン反応である。ツベルクリン液または精製ツベルクリン(PPD)を皮内注射すると、すでに結核菌の感染を受けたことのあるものでは、約48時間で最高に達する発赤、硬結を生ずる。このように反応の出現が遅いので遅延型反応ともいわれる。型反応は、感作Tリンパ球と抗原とが反応して感作Tリンパ球から遊離される種々の活性因子(リンホカインと総称され、マクロファージ遊走因子、マクロファージ遊走阻止因子、皮膚反応惹起(じゃっき)因子、細胞分裂促進因子などがある)により生ずる。またキラーT細胞による標的細胞の障害も型反応に属する。
 型反応によりおこる代表的疾患はアレルギー性接触性皮膚炎である。型反応は、自己免疫疾患、膠原(こうげん)病、移植免疫、腫瘍(しゅよう)免疫などでも大きな役割を果たしており、感染症でもその発症や進展に関与する場合がある。[高橋昭三]

アレルギー疾患

すでに述べたことからもわかるようにアレルギーによりおこる疾患には、自己免疫疾患、膠原病(こうげんびょう)などをも含め、多くの疾患があるが、通常アレルギー疾患という場合には、アトピー性疾患を主体とする古典的アレルギー疾患をさしている。すなわち、アナフィラキシーショック、アレルギー性鼻炎、花粉症、気管支喘息、薬剤アレルギー、食物アレルギー、じんま疹、湿疹、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎などである。これらはアレルギーを病因とする疾患ではあるが、その発症にはその他の生体側の条件が必要なこともある。また非アレルギー的仕組みによって同一の症状が出現しうることにも留意すべきである。[高橋昭三]

アレルゲンテスト

アレルギー疾患では原因抗原を決定することは治療上きわめてたいせつである。問診により得られた情報より、疑わしい抗原を主体にして検査することになるが、アレルギー疾患、抗原の種類に応じて適した検査を選択することが必要である。
(1)即時型皮膚反応 抗原液を単刺、掻皮(そうひ)(掻皮試験、スクラッチテスト)または皮内注射(皮内試験)し、15~20分後に判定する。検査抗原に対応するIgE抗体が存在すれば、発赤を伴った膨疹が出現する。
(2)貼布(ちょうふ)試験(パッチテスト) アレルギー性接触性皮膚炎の原因抗原診断のため行われるもので、パッチテスト用絆創膏(ばんそうこう)のリント布上に抗原を塗り、皮膚に貼布固定し、48時間後に絆創膏を取り除き判定する。陽性の場合には紅斑、浮腫、丘疹ないし小水疱(すいほう)が出現する。
(3)眼結膜試験 抗原液を点眼すると、陽性の場合には発赤、かゆみ、流涙などが出現する。
(4)鼻粘膜試験 アレルギー性鼻炎の原因抗原診断のためのもので、抗原を鼻腔(びくう)に入れると、陽性の場合は鼻粘膜は蒼白(そうはく)または発赤し、浮腫状となり、水様鼻汁が増加する。かゆみ、くしゃみも出現する。
(5)気管支吸入試験 気管支喘息の原因抗原診断のためのもので、抗原液をネブライザーで吸入させ1秒肺活量を測定する。吸入前1秒肺活量に比し15~20%以上低下すれば陽性と判定する。
(6)誘発試験 いずれのアレルギー疾患でも、疾患に応じた方法で抗原と接触させてアレルギー症状を再現させることができれば、もっとも確実な原因抗原診断法である。前述の(2)~(5)の試験も誘発試験に該当する。食物アレルギーでは、食物除去による症状の消失と食物添加による症状出現、すなわち除去試験と誘発試験を兼ねた食餌(しょくじ)試験が行われる。薬剤アレルギーでも同様の方法が行われることがある。
(7)RAST(radioallergosorbent test) IgE抗体を検出する試験管内検査法で、血清さえ採取すれば検出できる。[高橋昭三]

アレルギー体質

アレルギー疾患が特定の家系に出現しやすいことは古くから知られており、アレルギー疾患の発症には、遺伝的に規定されたアレルギー体質が重要な役割を果たしているものと考えられている。しかし、この遺伝がいかなる型をとるかはまだ明らかでない。3種のアレルギー疾患、すなわち気管支喘息、花粉症、湿疹の検討で、発症率の一致率は一卵性双生児で約25%であるのに対し、二卵性双生児では約16%と低かったという報告があるが、これは、アレルギー疾患の発症には遺伝が関与していることを示す反面、一卵性双生児でも一致率がわずか25%にすぎず環境因子の関与が大きいことをも示している。
 なお、アレルギー体質とほぼ同義語と解してよいものにアトピー体質がある。アトピーということばは1923年コカA. F. Cocaにより、遺伝傾向の強い枯草熱(花粉症)や気管支喘息などに対し、初めて用いられたものである。アトピー疾患は、今日の概念からは型アレルギーに属する疾患ということになるが、特異的IgE抗体の産生は遺伝的に規定されていることが、免疫応答遺伝子の研究から明らかとなっている。[高橋昭三]
『可部順三郎著『ぜんそく治療のすべて』(1978・婦人生活社) ▽斎藤洋三編『アレルギー』(1981・有斐閣選書)』

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世界大百科事典内のアレルギーの言及

【過敏症】より

…質的な異常反応は大きく次の三つに区別することができる。すなわち,(1)薬物に対する中毒作用,(2)薬理作用として普通では反応しない少量の物質(薬物など)に対して反応を示すこと,(3)免疫学的にアレルギーとしてあらわれてくる場合である。このうち,薬理作用としての過敏症は,ある薬理作用が非常に強く出る場合(微量な安定剤で強い眠気があらわれる,または常用量で身体の安定性を保っていられなくなることなど)をいう。…

【気管支喘息】より

…自律神経異常説は迷走神経緊張説(副交感神経の緊張),局所迷走神経緊張説(局所とは気管支をさす),β受容体遮断説(交感神経β受容体の機能低下),最近ではプロスタグランジン説(気管支を収縮させるプロスタグランジンF2αと拡張させるプロスタグランジンEの失調)など気道過敏性を究明する方向に発展していった。 一方,20世紀に入ると,ピルケーClemens F.von Pirquet(1874‐1929)が提唱したアレルギーの概念が導入され(1906),アレルギー説が大きくクローズアップされてきた。アレルギーの本態が抗原抗体反応に基づく過敏現象であることが解明されるや,それまで行われていた枯草熱の研究などをふまえて,気管支喘息における抗原,あるいは抗体の研究が精力的に進められていった。…

【寄生虫アレルギー】より

…寄生虫とくに蠕虫(ぜんちゆう)感染者や寄生虫を取り扱う機会の多い研究者などにみられるアレルギー反応をさす。寄生虫によるアレルギー症状をはじめて認めたのはゴルトシュミットRichard Benedict Goldschmidt(1910)で,ウマカイチュウの研究をしている動物学者の中に結膜炎,頭痛,手指の腫張や痛み,激しい咳発作や喘息(ぜんそく)症状を示す者があることを記載している。…

【抗体】より

…また,SRS‐A(slow‐reactive substance of anaphylaxisの略)とよばれる物質も生成し放出される。いずれも強力な炎症誘起物質であり,血管の透過性をたかめ,平滑筋の収縮を促すことにより,過剰に反応がおこれば花粉症喘息(ぜんそく)等のアレルギーの原因となる。 免疫複合体中の抗体が補体系の第一成分と結合すると,九つある補体系の全成分が順次活性化される。…

【蕁麻疹】より

…浮腫は真皮の上層にみられるが,それは肥満細胞からヒスタミンが遊離され,その作用によって血管の透過性が増すため血漿が組織内へ流出して生じたものである。この肥満細胞からのヒスタミン遊離はIgE抗体(レアギン)と抗原とによるI型アレルギーによってひき起こされるが,これとは別にヒスタミン遊離物質が直接肥満細胞に作用してもヒスタミンの遊離が生じる。したがって,I型アレルギーによって蕁麻疹が生じるのは確実であるが,他方,すべての蕁麻疹がI型アレルギーによって起きるとはいえない。…

【免疫】より

…E.メチニコフは,感染を受けた生体から採った白血球やマクロファージ(大食細胞)は,病原微生物を貪食する能力が高まり,それが病原体に対する防御反応として働くと考えた。マクロファージの貪食作用のみを重視したメチニコフの考えは,当時の体液説の前では必ずしも説得力を発揮できなかったが,のちにいわゆる細胞性免疫として一括される,遅延型アレルギー,移植片拒絶反応,接触過敏症,リンパ球による標的細胞破壊など,抗体によらないで免疫系細胞によって起こってくるさまざまな反応が記載されるにおよんで,免疫なる現象のもう一つの大きな側面として再び浮かび上がってくる。
[新しい概念の確立]
 こうして,免疫の重要な二つの側面,抗体による体液性免疫と細胞が直接働く細胞性免疫についての研究が進展し,それぞれについて重要な発見が相次いだ。…

【薬物過敏症】より

…ドイツ語ではÜberempfindlichkeit)と名づけた。やがて,ベーリングが観察した現象は毒素を抗原としたアレルギー反応にもとづくものであることが判明した。現在,欧米ではhypersensitivityはアレルギーとほぼ同義語に用いられる場合が多い。…

※「アレルギー」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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