ギルバート(読み)ぎるばーと(その他表記)William Gilbert

デジタル大辞泉 「ギルバート」の意味・読み・例文・類語

ギルバート(gilbert)

CGS単位系の起磁力の単位。1ギルバートは10/4πアンペア回数に相当。名称はW=ギルバートにちなむ。記号Gb

ギルバート(William Gilbert)

[1544~1603]英国の医師・物理学者。磁気現象を実験的に研究し、地球が磁石であるという仮説を導入。磁気と区別して電気にエレクトリックの名称を与えた。磁気学の父とよばれる。著「磁石について」6巻。

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精選版 日本国語大辞典 「ギルバート」の意味・読み・例文・類語

ギルバート

  1. ( William Gilbert ウィリアム━ ) イギリスの物理学者。エリザベス女王の侍医。電気と磁気の実験的研究を行ない、地球磁気現象を解明した。起磁力の単位「ギルバート」は、彼の名にちなむ。著書「磁石について」。(一五四四‐一六〇三

ギルバート

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] gilbert ) 磁気回路に磁束を生じさせる力、すなわち起磁力の単位。一ギルバートは l0/4π アンペア回数に相当する。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ギルバート」の意味・わかりやすい解説

ギルバート(William Gilbert)
ぎるばーと
William Gilbert
(1544―1603)

イギリスの医師、物理学者。磁気研究で名高い。コールチェスター生まれ。1558年ケンブリッジ大学セント・ジョーンズ・カレッジに入学、1561年学士、1564年修士、1569年医学博士号を取得。1573年ロンドンで開業し、1600年には内科医組合会長となった。エリザベス1世の侍医も務めた。

 1600年に出版された主著『磁石について』は近代実験科学の古典である。全6巻で、第1巻では磁石についての研究の歴史を検討して俗説を退けるとともに、磁気現象を扱うのに地球が大きな磁石であるという仮定を導入した。第2巻以降は、各巻ごとに、相互引力、指向性、偏角、伏角、回転という磁石の五つの性質を取り上げている。とくに当時、航海と関係した伏角については、船乗りのノーマンRobert Normanの著作から多く学んでいる。またこの著では「小地球」とよんだ小さな球状磁石を用いての実験や、強化磁石の実験など、自らが行った実験、発見を明示するなど新しい科学の特徴を示している。また、それまでは同一に扱われていた琥珀(こはく)の吸引作用を磁気とは区別して、エフルビア(発散気)によるものとしてエレクトリック(琥珀性の意)=電気という名称を初めて用い、その検出装置をくふうした。

 彼の磁気による地球の自転や地磁気の作用圏といった考えはケプラーに影響を与えたが、彼の死後1651年に出版された『月下界についての新哲学』では、磁石についての考えを拡張して、宇宙論、自然学、気象学を論じている。起磁力の単位ギルバートGbは、彼の業績にちなんでつけられた。

[高田紀代志]

『三田博雄編『ウィリアム・ギルバート 磁石論』(1981・朝日出版社)』


ギルバート(Walter Gilbert)
ぎるばーと
Walter Gilbert
(1932― )

アメリカの分子生物学者。ボストンに生まれる。ハーバード大学で化学と物理を学び、1953年に卒業し同大学の大学院に進学、ついでイギリスのケンブリッジ大学で1957年博士号を取得した。同年ハーバード大学に戻り、物理学助教授を務めていたが、1960年J・D・ワトソンの影響を受け、専攻を生物学に変更した。1964年から生物物理学準教授、1968年に生化学教授となり、1972年から同大学のアメリカがん協会分子生物学教授についた。

 1960年代中ごろから生物学の本格的研究に着手した。大腸菌を用いてリプレッサー(遺伝子の作用を抑制する)タンパク質の分離、精製に成功、その性質について研究した。1977年には、F・サンガーの開発した「プラス・マイナス法」とは異なるDNA(デオキシリボ核酸)の塩基配列決定法を開発した。これはDNAの特定部分を切断する酵素を用いるもので、サンガーの方法より簡単に早く配列を決定でき、共同研究者の名とともにマクサム‐ギルバート法とよばれている。この業績により、1980年にノーベル化学賞をサンガーとともに受賞、DNA組換えの研究によるP・バーグも同時に受賞した。

[編集部 2018年7月20日]


ギルバート(Sir Joseph Henry Gilbert)
ぎるばーと
Sir Joseph Henry Gilbert
(1817―1901)

イギリスの農芸化学者。農学全般にわたる研究の業績で知られる。ドイツのギーセンでリービヒのもとで有機化学を学ぶ。帰国後、ロザムステッドの農業研究所に入り、設立者ローズとともに、植物の生育に関する生理学、窒素肥料の効果と土壌微生物の研究の開発に貢献した。硫酸ナトリウムの施用により作物のカリウム摂取量が増加することを発見するなど、農作物に対する化学肥料の効用の研究が優れていた。1884年よりオックスフォード大学の教授を務めた。

[浅海重夫]


ギルバート(Sir William Schwenck Gilbert)
ぎるばーと
Sir William Schwenck Gilbert
(1836―1911)

イギリスの劇作家。公務員や弁護士の仕事をするかたわら雑文や戯曲を書き、鋭い風刺を機知とユーモアで包んだその作風が高く評価されることもあったが、なんといっても彼の名声を不朽にしたのは、1871年から25年間に作曲家のA・サリバンと組んでつくった14編の喜歌劇であった。これらは『軍艦ピナフォー』(1878)、『ペンザンスの海賊』(1879)、『ミカド』(1885)を代表作とする軽妙なコミック・オペラで、社会の陋習(ろうしゅう)や人間の偽善に対する風刺、機知に富んだ台詞(せりふ)、笑劇風のおかしみにあふれ、その大部分がロンドンのサボイ劇場で初演されたため、サボイ・オペラとよばれ、今日までイギリス人に親しまれている。

[中野里皓史]


ギルバート(起磁力の単位)
ぎるばーと
gilbert

CGS単位系の起磁力の単位。1ギルバートは4π分の10アンペア回数にあたる。Gbで表す。この単位は1903年ころから用いられていたが、当初は国際的には承認されず、1930年の国際電気標準会議において採択された。名称はイギリスの物理学者W・ギルバートの業績にちなんでいる。

[小泉袈裟勝]

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改訂新版 世界大百科事典 「ギルバート」の意味・わかりやすい解説

ギルバート
William Gilbert
生没年:1544-1603

イギリスの医者,物理学者。1558年ケンブリッジ大学入学,69年医学博士号取得後は,医師として生計を立て,1600年には王立医師会の会長に選ばれるとともにエリザベス女王の侍医となった。そのかたわら,自然科学の研究,とくに磁石の研究に興味をもち,その研究成果を《磁石論De magnete magnetisque corporibus》(1600)に著した。この中で彼は,現象記述,先人意見の批判検討,そして実験という方法論を立て〈くだらない想像〉を退け,電気と磁気とが区別されること,二つの磁石をくっつけると強さが増すこと,地球は大磁石で磁極をもち,磁針はこの地磁気によって指向されることなどを報告している。また航海術への関心から,地球に見立てた球磁石を用いて伏角,偏角の測定も試みている。F.ベーコンによっても評価されるこの実験的方法・精神は,近代科学にとっての原点といえるものであった。ただし,電気,磁気の区別の際,電気は遮へいによって弱まるが磁気は弱まらないことをあげ,これから電気力については微細な未知物質の流れ(エフルウィア)によって起こるとしたものの,それに対して磁気力は非物質的な霊魂による作用であり,磁石とは地球の子宮で胚胎されたものと考えた。これからもわかるように,実験という近代的精神をもちながらも,中世的思索精神をも併せもっていた人物と評価されている。
執筆者:


ギルバート
William Schwenck Gilbert
生没年:1836-1911

イギリスの劇作家,作詞家。1860年代に滑稽詩やバーレスク劇を発表し始めたが,最も有名な作品は1871年から96年にかけて上演された14編の音楽劇である。これらはA.S.サリバンが曲,ギルバートがせりふと詞を作ったもので,その多くがロンドンのサボイ劇場で演じられたため〈サボイ・オペラ〉と呼ばれることがある。《軍艦ピナフォア号》(1878初演),《ペンザンスの海賊》(1879初演),《ペーシェンス》(1881初演),《ミカド》(1885初演),《ゴンドラの舟人》(1889初演)などが代表作。いずれもメロドラマをもじった奇想天外な筋を,軽快な曲に合わせて歌われる複雑な脚韻や語呂合せを多用した詞で進めていくもので,イギリス・ノンセンス文学の一典型であり,今なお広く愛好されている。ギルバートは一時サリバンと争い,他の作曲者と仕事をしたが,どれも成功していない。1907年,サーの称号を与えられた。
執筆者:


ギルバート
Grove Karl Gilbert
生没年:1843-1918

アメリカの地質学者,地形学者。ニューヨーク州の生れで,ロチェスター大学で地質学を学ぶ。1871年から開拓時代の合衆国西部の地理・地質調査に加わり,地質調査所に入り,後に所長にもなった。浸食と堆積からなる河川による平準化によって地形が形成されるという説は西部での観察から考え出され,W.M.デービスの地形輪廻説にひきつがれた。また更新世にユタ州を中心に巨大な湖があったことを発見し,ボンヌビル湖と命名,地殻変動を急激な造山運動orogenyと広くゆるやかな造陸運動epeirogenyに区分することを提唱し,火成岩の貫入形態として餅状の岩体を認めラコリスと命名した。晩年には月のクレーターの成因として隕石の衝突説を提唱した。
執筆者:


ギルバート
Joseph Henry Gilbert
生没年:1817-1901

イギリスの農芸化学者。オックスフォード大学教授。ハルに生まれ,グラスゴー大学ロンドン大学を経て,ギーセン大学でJ.F.vonリービヒの下で学んだ。ロザムステッドの地主で化学者であったJ.B.ローズに招かれ,1843年にともにロザムステッド農業試験場を創立,農芸化学の試験研究に従事し,肥料試験などの圃場(ほじよう)試験の実行にあたった。
執筆者:

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百科事典マイペディア 「ギルバート」の意味・わかりやすい解説

ギルバート[諸島]【ギルバート】

太平洋中西部,赤道をはさんで南北に分布する16の環礁からなる島群。マキンタラワなど第2次大戦中日米激戦で知られた島々を含む。住民はミクロネシア人。コプラが主産物。1915年南部のエリス諸島とともに英領ギルバート・エリス諸島植民地を構成。1979年エリス諸島と分離してフェニックス諸島,ライン諸島の一部とともにキリバスとして独立。

ギルバート

英国の医師,物理学者。ケンブリッジ大学で数学と医学を学び,1573年医師を開業,1601年エリザベス1世の侍医となる。磁気,摩擦電気を初めて科学的に研究,1600年《磁石論》に成果をまとめた。初めて電気にelectricsの名を用い,地球を一大磁石として地磁気現象を説明。磁気学の父と呼ばれる。→ギルバート(単位)
→関連項目磁気

ギルバート(単位)【ギルバート】

コイルの起磁力のCGS電磁単位。記号Gb。1Gbは(10/4π)アンペアターンに等しい。→W.ギルバートアンペアターン
→関連項目磁気量

ギルバート

英国の劇作家,作詞家。作曲家サリバンと組んで,数多くのオペレッタ(劇場の名にちなんで〈サボイ・オペラ〉と呼ばれる)を作った。《軍艦ピナフォア号》《ペーシェンス》《ミカド》《ゴンドラの舟人》などが代表作。

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化学辞典 第2版 「ギルバート」の解説

ギルバート
ギルバート
Gilbert, Walter

アメリカの分子生物学者.ハーバード大学で化学と物理学を学び,大学院で素粒子物理学を専攻した.1957年ケンブリッジ大学でPh.D.を取得し,翌年ハーバード大学講師.1960年J.D. Watson(ワトソン)との交流を通じて生物物理学に転身し,1968年同大学生化学教授,1972~1981年アメリカがん協会分子生物学教授となる.1979年ベンチャー企業バイオジェン社の設立に携わり,1981年ハーバード大学を離れ,同社経営最高責任者に就任.1985年に大学に戻り,1987年以降はC.M.レーブ大学教授となる.1966年にB. Müller-Hillとともにラクトースオペロンのリプレッサータンパク質を純化した.1977年1000塩基配列を数か月で決定する簡便な方法(マクサム・ギルバート法)を開発した.この業績で,1980年F. Sanger(サンガー),P. Berg(バーグ)とともにノーベル化学賞を受賞.1985年以降はヒトゲノム計画を強力に推進した.

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ギルバート」の意味・わかりやすい解説

ギルバート
Gilbert, William

[生]1544.5.24. コールチェスター
[没]1603.12.10. ロンドン/コールチェスター
イギリスの医者,自然哲学者。ケンブリッジ大学卒業,1569年学位取得。 1601年エリザベス1世の侍医となった。彼の磁気に関するさまざまな実験的研究,とりわけ地球全体を1つの磁石とみなして,今日でいう地磁気の諸性質 (なかでも伏角の発見) を明らかにした功績によって,近代磁気学の祖と評価されている。彼は宇宙の構造として近代的な体系,つまりコペルニクス説を信じたが,地球の自転や惑星の運動は磁気によるという神秘的な考えをもっていた。また,コハク (琥珀) や水晶を摩擦すると他の軽い物体をひきつけることを見出し,この現象を磁気と区別し,ギリシア語のエレクトロン (琥珀) にちなんで,エレクトリックと形容したのが今日の電気 electricityの語源となった。主著『磁石について』 De Magnete (1600) 。

ギルバート
Gilbert, James William

[生]1794.3.21. ロンドン
[没]1863.8.8. ロンドン
イギリスの銀行家。ロイヤル・ソサエティの会員で,銀行問題の著述家。 1813年から銀行員となり,33年に最初の株式銀行としてロンドンに設立されたロンドン・ウェストミンスター銀行の総支配人となった。この株式銀行に対して,イングランド銀行や個人銀行から攻撃,妨害が加えられたが,彼は株式銀行側の代表として,著述および議会での証言によってこれを克服,株式銀行発展のために貢献した。学問上では,「銀行業者は借主と貸主の間に立つ媒介者である。彼は一方より借りて他方に貸す。そして彼が借りる条件と貸す条件との差が彼の利潤の源泉となる」という,銀行機能における「信用媒介説」の古典的主張者として知られている。主著『銀行の歴史,原理および業務』 The History,Principles and Practice of Banking (1834) 。

ギルバート
Gilbert, Walter

[生]1932.3.21. ボストン
アメリカの分子生物学者。ハーバード大学卒業 (1953) 後,ケンブリッジ大学で数学と物理学を修め,1957年学位取得。ハーバード大学講師 (58) ,助教授 (59) ,理論物理学教授 (68) ,72年同大学分子生物学教授。 1960年代は遺伝子の働きを制御する分子の分画,精製,単離に成果をあげた。 77年弟子の A.マクサムとともに,デオキシリボ核酸の塩基配列を簡単に決定する方法として,連鎖分子を構成する4種の塩基中の特定の1つが占める位置においてのみ連鎖を分断する条件を発見した。これは「マクサム=ギルバートの方法」として広く利用されている。これにより,80年ノーベル化学賞を受賞した。

ギルバート
Gilbert, Sir William Schwenck

[生]1836.11.18. ロンドン
[没]1911.5.29. ミドルセックス,ハローウィールド
イギリスの劇作家。作曲家 A.サリバンと組んで数多くのコミック・オペラの台本を執筆,ギルバート=サリバン・オペラの名で知られた。これらは主としてサボイ劇場で上演されたため,サボイ・オペラの別称もある。代表作は『軍艦ピナフォア』 H.M.S.Pinafore (1878) ,『ペンザンスの海賊』 The Pirates of Penzance (79) ,『ミカド』 The Mikado (85,日本の天皇と吉原の生活がテーマ) など。 1907年ナイトの称号を受けた。

ギルバート
Gilbert, Cass

[生]1859.11.24. アメリカ,オハイオ,ゼーンズビル
[没]1934.5.17. イギリス,ハンプシャー,ブロッケンハースト
アメリカの近代建築家。マサチューセッツ工科大学に学んだのち,ヨーロッパに遊学,帰国後マッキム・ミード・ホワイト事務所で働く。ミネソタ州セントポールに移り,1896~1903年にミネソタ州会議事堂を建設。ニューヨークに戻り,税関 (1907) ,ユニオン・クラブ (06~07) を手がけ,ゴシック様式の 60階建ての摩天楼ウールワースビル (11~13) を建てて,当時最も有名な建築家となる。そのほか,新古典主義的な様式のワシントン D.C.の最高裁判所 (33) などを建てている。

ギルバート
Gilbert, Grove Karl

[生]1843.5.6. ニューヨーク,ロチェスター
[没]1918.5.1. ミシガン,ジャクソン
アメリカの地質学者。 1869年第2次オハイオ州地質調査隊に加わったのを手始めに,各種の探検調査に加わる。 79年アメリカ合衆国地質調査所が創設されると,すぐ所員に任命された。アメリカ地質学会会長 (1892) 。地殻の大変動の基本になっている造山運動と造陸運動を区別することを提唱。ナイアガラ瀑布の地質研究で著名。主著『ボンヌビル湖研究』 Bonneville Monograph (90) 。

ギルバート
Gilbert, Sir Humphrey

[生]1539頃.ダートマス
[没]1583.9.
イギリスの軍人,航海者。 W.ローリーの異父兄。アイルランド従軍後,下院議員。 1572年オランダの独立戦争に従軍。 78年エリザベス1世から特許状を得て念願の北西航路探検を開始して失敗。 83年再開してニューファンドランドに到着,それを女王の植民地としたが,帰航の途中アゾレス諸島沖で嵐にあい,乗船と運命をともにした。

ギルバート[センプリンガム]
Gilbert of Sempringham

[生]1083頃. センプリンガム
[没]1189.2.4. センプリンガム
イギリスの聖職者。聖人。ギルバート修道会の創始者。トマス・ベケットと国王ヘンリー2世の争いに際し,トマス・ベケットを支持した。祝日は 2月4日。

ギルバート
Gilbert, Sir John

[生]1817.7.21. ロンドン
[没]1897.10.5. ロンドン
イギリスのロマン主義の画家。水彩画家として,またシェークスピア,W.スコット,J.ミルトン,M.セルバンテスなどの本の挿絵画家として有名。明暗のコントラストの強い画面に描き出される情景は,ロマンチックで雄大なスケールをもっている。

ギルバート
gilbert

起磁力および磁位の CGS電磁単位またはガウス単位。記号は Gb。他の電磁単位および SI単位のアンペアとの関係は 1Gb=(1/4π)×10A 。単位名は W.ギルバートの名にちなむ。

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世界大百科事典(旧版)内のギルバートの言及

【キリバス】より

…1979年7月12日にイギリスから独立した。旧ギルバート・エリス諸島のうちのギルバートGilbert諸島で,ポリネシア系のエリスEllice(独立後ツバル)諸島から分かれたミクロネシア系住民の国。1606年にスペインの航海者キロスPedro Fernandez de Quirosにより諸島の一部が発見され,1788年にイギリス海軍のギルバート大佐が測量し,1892年からイギリスの統治下にあった。…

【医学】より

…スイスのベルヌーイ一家は数学者を多数輩出しているが,そのうちヨハンJohann Bernoulli(1667‐1748),ダニエルDaniel B.(1700‐82)は医師である。物理学では,エリザベス女王の侍医W.ギルバートは,磁気の研究で,電磁気学史からはずせない。そのほか,時代は次の世紀に移るが,化学や生物学でも医師は広く業績をあげている。…

【遺伝学】より

…これらの酵素を利用して任意のDNA断片をバクテリア中でクローン化することが可能となった。一方,マクザムM.MaxamとギルバートW.Gilbert(1977)らによりDNAのヌクレオチド配列の効率的な決定法が確立され,原核生物のみならず真核生物の多くの遺伝子の構造解析が行われるようになり,真核生物の分子遺伝学が急速に進展する時代を迎えているようにみえる。
[遺伝学の諸分野]
 遺伝学は生物学の中では比較的新しい分野であり,その歴史は100年に満たないが,すでにきわめて多くの分野に分かれてきている。…

【磁気】より

…例えば,磁石はそのそばにダイヤモンドやニンニクを置くと,その魔力を失うというたぐいのものである。 このような迷信を一つ一つ実験によって反証し,磁気現象を自然科学の対象にしたのはW.ギルバートである。彼はその研究の成果を《磁石論》(1600)という本にまとめた。…

【磁石】より

…この点はG.カルダーノによってより明確化された。こうした伝統のうえに立って,磁石に関して重要な貢献をしたのがW.ギルバートである。ギルバートの《磁石論》は,一方に,きわめて多様な実験を行うと同時に,もう一方で,ルネサンス期特有の新プラトン主義流のアニミズムや神秘主義を強く意識した著作である。…

【電気】より

…彼は,磁石が鉄しか引かないのに反して,摩擦されたコハクは軽い物体ならなんでも引きつけること,磁石はいろいろの物を通しても力を及ぼすが,コハクの引力は間に物をおくとさえぎられることなどを観察した。この研究をうけついだエリザベス1世の侍医W.ギルバートは,さらに実験を重ねてこの区別を確認するとともに,次のような電気的引力の説明を与えた。物体は摩擦されると,エフルウィアeffluviaと呼ばれる微粒子からなるきわめて希薄な雰囲気を周囲に発散する。…

【サリバン】より

…イギリスの作曲家。ローヤル音楽アカデミーやライプチヒ音楽院に学び,1866年ローヤル音楽アカデミー教授,76‐81年ナショナル音楽学校校長,71年台本作者のW.S.ギルバートと組んでオペラ《セスピス》を発表して以来,《軍艦ピナフォア》(1878)や《ミカド》(1885),《ゴンドリエ》(1889)などいわゆる〈ギルバート・サリバン・オペラ〉を数多く世に出した。これらは19世紀イギリスを代表するオペラに数えられる。…

※「ギルバート」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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