シャープ(株)(読み)しゃーぷ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シャープ(株)」の意味・わかりやすい解説

シャープ(株)
しゃーぷ

家電メーカー大手の一つ。電卓OA機器、電子部品でも有力。1912年(大正1)早川徳次(1893―1980)が東京で金属加工業を開き、14年に早川式繰出し鉛筆を製作、シャープペンシルの名で国内と欧米で発売、日米特許を取得。関東大震災後は東京から大阪に移り早川金属研究所をも開設、1925年に小型鉱石ラジオ、29年(昭和4)には真空管ラジオを製造、輸出も行った。1935年に株式会社に改組、42年には早川電機工業と改称した。民間ではもっとも早く1931年からテレビの研究に着手し、第二次世界大戦後の53年(昭和28)に国産第一号を発売した。1960年代には洗濯機、冷蔵庫分野にも進出、62年に国産初の電子レンジを発売。さらに1964年には世界初のオールトランジスタ電卓を開発して、IC、LSI化を進め業界トップクラスとなった。1970年から現社名。1973年電卓に用いる液晶の実用化に成功、液晶ディスプレーの電卓は、従来型より薄くて消費電力も少ないこともありヒット商品となる。その後、液晶を用いたさまざまな製品が開発され、1960年代から量産化している太陽電池とともに主力事業となっていった。資本金2047億円(2008)、売上高3兆4178万円(2008。連結ベース)。工場アメリカなど海外にも多数

[中村清司]


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