パノラマ(英語表記)panorama

翻訳|panorama

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

パノラマ
panorama

サイクロラマ (→ホリゾント ) の一種で,遠景や動いている風景を表わすのに使用する。舞台の奥いっぱいに風景を描いたカンバスを設置し,両端シリンダでカンバスを巻取って風景を移動させる仕組みになっている。円形多角形の建物の内部の壁面に風景を描き,その前に人形などを置き展観させる見世物もパノラマと呼ばれ,これは 18世紀末にイギリスで始り,19世紀に各国で人気を博した。

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デジタル大辞泉の解説

パノラマ(panorama)

見渡す限りの広々とした風景。全景。「眼下に広大なパノラマが展開する」
半円形に湾曲した背景画などの前に立体的な模型を配し、照明によって広い実景を見ているような感じを与える装置。日本では、明治23年(1890)上野公園で初めて公開された。

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世界大百科事典 第2版の解説

パノラマ【panorama】

元来は,高い所から四方の風景を遠くまで見晴らすことをいい,ギリシア語のpan(すべて)とhorama(眺め)の合成に基づく。転じて,そのような風景を円形絵画として人工的に構築し,照明や可動装置によって実物そっくりに見せる近代の見世物をいうようになった。その規模は概して壮大であり,背景から立体的に突出した構築物による錯視効果に訴える設計がなされる。パノラマの母体は,教会堂内陣の円形壁画や天井画がもたらす,別天地への参籠体験を喚起するような視覚効果にあるが,直接の先行形態は,透視図法の過度の適用によって錯視効果を高めるバロック劇の舞台装置や芝居絵であった。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

パノラマ
ぱのらま
panorama

半円形に湾曲した背景画などの前に草木や人物などの模型を配して立体感を現し、照明により室内で観賞する者に、野外の広い実景を見るような感じを与える装置。1788年イギリスの美術家リチャード・パーカーによって創案された。日本では1890年(明治23)東京・上野公園で開催された第3回内国勧業博覧会に登場したパノラマ館が最初である。日露戦争当時を全盛期としてその後衰退した。また2メートルほどの背景画に立体模型を配してガラス越しに観覧させるジオラマもあった。現在はショーウィンドーや壁面利用にパノラマが応用されている。なお、周囲の景色が遠くまで見渡せる高い場所のことをパノラマ台ともいう。

[斎藤良輔]

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精選版 日本国語大辞典の解説

パノラマ

〘名〙 (panorama)
① 半円形の背景を描いた画面の前に、草木や人形などをおき、さらに照明の効果によって観賞者に広い視野をもつ野外の景色を見ているような感じを与える装置。
※航西日乗(1881‐84)〈成島柳北〉一一月九日「『パノラマ』は普仏戦争の実景を写せしものにて」
② 転じて、ひろびろとした見渡す限りの景色。また、広い視野の全体。
※草枕(1906)〈夏目漱石〉七「三味の音が思はぬパノラマを余の眼前に展開するにつけ」

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世界大百科事典内のパノラマの言及

【映画】より


〔映画の歴史〕

【映画の前史】
 初めに〈動く絵〉に対する衝動があった。それはアルタミラの洞窟壁画にもすでに見られるともいわれるが,映画の前史にまず記録されるのは,1780年代にスコットランドの風景画家R.バーカーが考案した〈パノラマpanorama〉で,このことばは現在も〈パン〉(英語ではpan,フランス語ではpanoramique)という映画用語に生き残っている。〈パノラマ〉とは,円筒形の建物の内側に装備された巨大な画布が,薄暗い歩廊の中央にいる観客のまわりをゆっくりと回転し,戦闘の光景が眼前に展開していく動きを見せる見世物で,ちょうど首を回すようにカメラをふる〈パン〉の技法によるイメージと同じ効果を出すものだった。…

【映画】より


〔映画の歴史〕

【映画の前史】
 初めに〈動く絵〉に対する衝動があった。それはアルタミラの洞窟壁画にもすでに見られるともいわれるが,映画の前史にまず記録されるのは,1780年代にスコットランドの風景画家R.バーカーが考案した〈パノラマpanorama〉で,このことばは現在も〈パン〉(英語ではpan,フランス語ではpanoramique)という映画用語に生き残っている。〈パノラマ〉とは,円筒形の建物の内側に装備された巨大な画布が,薄暗い歩廊の中央にいる観客のまわりをゆっくりと回転し,戦闘の光景が眼前に展開していく動きを見せる見世物で,ちょうど首を回すようにカメラをふる〈パン〉の技法によるイメージと同じ効果を出すものだった。…

※「パノラマ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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