出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
物理学における普遍定数の一つで,不確定性原理に含まれて量子力学の領域を特徴づける。hで表され,その値は,
h=6.626176×10⁻34J・s
である。その次元(エネルギー)×(時間)は,また(運動量)×(長さ)などとも書け,一般に作用の次元と呼ばれるので,hを作用量子ともいう。原子内の電子のエネルギーEは10⁻17Jの程度で公転時間tは10⁻16sの程度だから,その積Etはhの程度になる。気体分子の運動量pは室温でp~10⁻24kg・m/sの程度であり,衝突は分子間の距離r~10⁻10mで起こる。これらの積prはhの程度なので,分子の衝突は量子力学の領域に属する。しかし分子の平均自由行路Lは室温・1気圧でL~10⁻3mであり,pL≫hなので分子の自由運動は古典物理で扱ってもよい。プランク定数はプランクの放射則の発見(1901)のとき導入された。なお,プランク定数hを2πで割ったものが用いられることも多く,これはħの記号で示される。
執筆者:江沢 洋
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
量子論における基本的定数.記号h.基本物理定数の一つで,もっとも新しい数値は
h = 6.62606896(33)×10-34 J s( = ×10-27 erg s).
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
…こうしたψの固有振動は,それぞれ量子力学的粒子のエネルギー確定の運動を表し,それをしている粒子は定常状態にあるといわれる。定常状態のエネルギーはそれぞれの振動数にプランク定数hをかけたhν0,hν1,……であたえられ,系のエネルギー準位とよばれる。たとえば水素原子の電子のエネルギー準位は-13.6eV/n2と書ける(n=1,2,……)。…
※「プランク定数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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