(読み)ア

デジタル大辞泉 「亜」の意味・読み・例文・類語

あ【亜〔亞〕】[漢字項目]

常用漢字] [音](漢) [訓]つぐ
上位や主たるものに次ぐ。次位の。準ずる。「亜将亜聖亜流亜熱帯
化合物中で酸化の程度の低いものを表す語。「亜硝酸亜硫酸
生物学で、生物分類上の基本単位である門・綱・目・科・属・種などの、それぞれの下位単位を表す語。「亜種亜門
アジア。「欧亜東亜
(「」の代用字)白い土。「白亜
[名のり]つぎ
難読亜細亜アジア亜米利加アメリカ亜剌比亜アラビア亜爾然丁アルゼンチン

あ【亜】[書名]

日本の詩雑誌。大正13年(1924)11月、安西冬衛北川冬彦、滝口武士らが中心となり中国大連創刊短詩、新散文詩の試みなど、昭和初期の日本のモダニズム詩の発展につながる実験的作品発表の場となった。昭和2年(1927)12月までに全35冊を刊行して終刊

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精選版 日本国語大辞典 「亜」の意味・読み・例文・類語

あ【亜】

  1. 〘 名詞 〙
  2. アジア(亜細亜)」の略。「東亜」「欧亜」
  3. アメリカ(亜米利加)」、また、「アメリカ人」の略。明治初期の用語で、現在は「米(べい)」を用いる。
    1. [初出の実例]「亜(ア)仏蘭の外国艦と戦争に及べる事」(出典:近世紀聞(1875‐81)〈染崎延房〉三)
  4. アルゼンチン(亜爾然丁)」「アラビア(亜剌比亜)」などの略。

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普及版 字通 「亜」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

(旧字)亞
人名用漢字 8画

[字音] ア・アク
[字訓] はふり・つぐ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
旧字は亞に作り、陵墓の墓室の平面形。玄室四隅をおとした形。〔説文〕十四下に「醜なり。人の局背の形に象る。賈侍中のに、以爲(おも)へらく、弟なりと」とあり、醜悪の意とするが、字は明らかに墓壙玄室の形である。亜次の義も、墓葬を司る聖職者の意から出たものであろう。

[訓義]
1. 玄室、棺をおくへや。
2. 玄室の儀礼を司るもの、はふり。葬祭の儀礼を司るもの、その官職名。
3. 次ぐ、第二、王に次ぐ聖職者。
4. 近い、並ぶ、匹配、ひとしい、なかま。
5. 悪に通じ、醜悪の意がある。(あ)に通じ、両壻相謂う語に用いる。堊(あく)に通じ、塗る意に用いる。
6. 圧と声近く、俯す意に用いる。低い、掩う、払う、曲脊の意がある。
7. 擬声語、どもる声。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕亞 フサガレリ・ツグ・アツ・ツイデ・カナフ・ミ(ニ)クシ・シヒタリ・モノイハズ

[声系]
(あく)・(お)・惡(悪)(あく)・堊(あく)など亞(あ)声。は笑う擬声語。は相毀(そし)る意で、惡と声義が近い。玄室(亞)の儀礼は凶礼であるから、悪の意を生ずる。堊は玄室を漆(しつくい)で塗るので、その白土をいう。

[語系]
亞a akは阿aiと声近く、幼女を亜奴(あど)、また阿奴(あど)、年輩の人を亜公、また阿公、婦人を亜婆、また阿婆という。自称の亜儂(あのう)は呉下の阿(あもう)の阿と同じ。

[熟語]
亜尹・亜魁・亜・亜献・亜元・亜公・亜歳・亜次・亜似・亜将・亜相・亜帥・亜聖・亜迹・亜祖・亜駝・亜台・亜奴・亜等・亜飯・亜匹・亜父・亜流・亜旅
[下接語]
姻亜・偃亜・相亜・低亜・匹亜・流亜・倫亜

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世界大百科事典(旧版)内のの言及

【安西冬衛】より

…翌年右膝関節炎のため脚を切断。その後詩作に入り,24年大連で北川冬彦らと詩誌《亜》を創刊し短詩・散文詩を発表,文字形象によるイメージの審美的世界を開示した。28年創刊の詩誌《詩と詩論》に参加,翌年《軍艦茉莉(まり)》,33年《亜細亜の鹹湖(かんこ)》《渇ける神》などの詩集を刊行。…

※「亜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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