催す(読み)モヨオス

デジタル大辞泉 「催す」の意味・読み・例文・類語

もよお・す〔もよほす〕【催す】

[動サ五(四)]
1 人を集めて行事などを行う。開催する。「送別の宴を―・す」
2 そういう気持ちにさせる。かきたてる。さそう。また、物事が起ころうとする兆候を見せる。きざす。「涙を―・す」「あわれを―・す」「吐きけを―・す」「眠けを―・す」
3 小便や大便がしたくなることを婉曲にいう語。
4 せきたてる。催促する。
「煩悩には絶えず―・され」〈倉田・出家とその弟子〉
「東の院、急ぎ作らすべきよし、―・し仰せ給ふ」〈源・澪標〉
5 人を呼び集める。召集する。
「一門の人々にも触れ申せ。侍ども―・せ」〈平家・二〉
6 手はずを整える。準備する。
「あるべき事どもなど、こちたきまで―・しおかれ」〈増鏡・むら時雨〉
[可能]もよおせる
[類語]兆す・芽生える・萌芽・生まれる・起こる・起きる・生ずる・発する・生起する・発生する・湧く・出来る・行う・覚える・感ずる・感じる・抱いだく・持つ

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精選版 日本国語大辞典 「催す」の意味・読み・例文・類語

もよお・すもよほす【催】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行五(四) 〙 物事が起ころうとする。生ずるきざしがある。きざす。
    1. [初出の実例]「猿の声いづれの処にか催(モヨホス)」(出典:文鏡秘府論保延四年点(1138)天)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行五(四) 〙
    1. ① せき立てる。催促する。うながす。
      1. [初出の実例]「厳(いつく)しく猛(たけ)き色(おもへり)を現(あらは)して、催(モヨホシ)つつ急(すみやか)に召(め)せ」(出典:日本書紀(720)敏達一二年一〇月(前田本訓))
      2. 「夜を通して、昔物語もきこえあかさんとせしを、にはとりの声にもよほされてなん」(出典:枕草子(10C終)一三六)
    2. ② さそう。ひき起こす。ある気持などをかき立てる。
      1. [初出の実例]「春ををしむ花、夏をもよほすむし」(出典:宇津保物語(970‐999頃)春日詣)
      2. 「暮行空の雲の色、有明方の月の光までも心をもよほす思也」(出典:日蓮遺文‐持妙法華問答鈔(1263))
    3. ③ 準備をする。用意をする。
      1. [初出の実例]「御産屋の儀式、あるべきことどもなど、こちたきまでもよをしおかれ」(出典:増鏡(1368‐76頃)一五)
    4. ④ ある物事を行なうために、人々を集める。召集する。また、人々を集めて物事を行なう。開催する。
      1. [初出の実例]「女、人を催て曳捨むと思て、先づ三人を以て曳するに不動ず」(出典:今昔物語集(1120頃か)三)
    5. ⑤ 課する。負わせる。賦課する。
      1. [初出の実例]「然々のに破子卅荷なむ可入きを、人々に云て催と宣ひければ」(出典:今昔物語集(1120頃か)二八)

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