生ずる(読み)ショウズル

デジタル大辞泉 「生ずる」の意味・読み・例文・類語

しょう・ずる〔シヤウずる〕【生ずる】

[動サ変][文]しゃう・ず[サ変]
植物などがはえる。「新芽が―・ずる」「かびが―・ずる」
新しく何かが起こったりできたりする。今までなかった物事・状態が発生する。「不都合が―・ずる」「接合部に亀裂が―・ずる」
ある物事・状態を新たにつくる。起こす。発生させる。「無から有を―・ずる」「疑惑を―・ずる」
[類語]現れる生まれる生む生み出す作り出す創出する創造する招く起こる出来る始まる起きるきざ発する生起する発生する湧く出現する現出する登場する現前する顕現する現ずるのぞ台頭デビュー誕生登板お目見えのし上がる躍り出る頭角を現す頭をもたげる

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精選版 日本国語大辞典 「生ずる」の意味・読み・例文・類語

しょう‐・ずるシャウ‥【生】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]しゃう・ず 〘 自動詞 サ行変 〙
    1. ある作用や事態が起こる。発生する。
      1. [初出の実例]「音曲よりはたらきのしゃうずるは、劫(こう)入りたるゆへ也」(出典風姿花伝(1400‐02頃)六)
      2. 「武備におこたる心しゃうずべし」(出典:黄表紙・文武二道万石通(1788)上)
    2. はえたりなったりする。できる。
      1. [初出の実例]「蓮花の地より生ずる事は、地神の化する所也」(出典:今昔物語集(1120頃か)一)
      2. 「鼻たかくして羽生(シャウ)じ」(出典:黄表紙・高漫斉行脚日記(1776)上)
    3. 人や動物などがうまれる。
      1. [初出の実例]「生ぜる者必ず不滅るは无し」(出典:今昔物語集(1120頃か)三)
    4. 生きる。生息する。
      1. [初出の実例]「蠡の類は雲南に生するぞ」(出典:玉塵抄(1563)五〇)
      2. 「八百歳まで生するほどに」(出典:足利本論語抄(16C)述而第七)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 サ行変 〙
    [ 文語形 ]しゃう・ず 〘 他動詞 サ行変 〙
    1. ある作用や事態を起こす。でかす。
      1. [初出の実例]「五大より貪欲・瞋恚等の諸(もろもろ)煩悩を生ず」(出典:今昔物語集(1120頃か)一)
      2. 「やがて天が下に大乱を生(シャウ)ぜしめん」(出典:読本・雨月物語(1776)白峯)
    2. はやしたり、ならせたりする。
      1. [初出の実例]「福田の中に荊棘を生ぜんや」(出典:米沢本沙石集(1283)七)
      2. 「一粒の種を蒔けば二三百倍の実を生じ」(出典:学問のすゝめ(1872‐76)〈福沢諭吉〉九)
    3. 人や動物などを産む。
      1. [初出の実例]「人の家に多少の男子を生ぜるは」(出典:今昔物語集(1120頃か)一)

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