克明(読み)コクメイ

デジタル大辞泉 「克明」の意味・読み・例文・類語

こく‐めい【克明】

[名・形動]
細かいところまで念を入れて手落ちのないこと。また、そのさま。丹念。「克明記録
まじめで正直なこと。また、そのさま。実直。
「姉は世間でいう義理を―に守り過ぎる女であった」〈漱石道草
[派生]こくめいさ[名]
[類語]丁寧念入り入念丹念周到念を入れる芸が細かい微に入り細を穿うが詳しい細かい詳細詳密精細明細つまびらか事細か子細につぶさ逐一細大漏らさずつくづくしげしげじっくりよくよくくれぐれとくととっくり心して細心みっしりみっちりつらつら

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精選版 日本国語大辞典 「克明」の意味・読み・例文・類語

こく‐めい【克明・刻明】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 十分に明らかになること。はっきりすること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「小春の顔が次第に刻明な輪廓を取って映った」(出典:蓼喰ふ虫(1928‐29)〈谷崎潤一郎〉二)
    2. [その他の文献]〔書経‐堯典〕
  3. 主君としての道をよく尽くすこと。また、そのさま。〔書経‐伊訓〕
  4. ひとつひとつ細かく念を入れること。また、そのさま。まめやか。丹念。律義(りちぎ)。実直。まじめ。こくめん。
    1. [初出の実例]「然(さ)篤実(コクメイ)に銭丈けの大きな奴を遣(よこ)しちゃア不可(いけね)エ」(出典:落語・性和善(1891)〈三代目春風亭柳枝〉)

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普及版 字通 「克明」の読み・字形・画数・意味

【克明】こくめい

十分に明らかにする。〔書、尭典〕克(よ)く俊らかにし、以て九族を親しむ。

字通「克」の項目を見る

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