(読み)ホウ

デジタル大辞泉 「包」の意味・読み・例文・類語

ほう【包】[漢字項目]

[音]ホウハウ)(漢) [訓]つつむ くるむ
学習漢字]4年
中の物をつつみこむ。つつみ。「包囲包装包皮包容空包梱包こんぽう薬包
一まとめにする。ひっくるめる。「包括包含
(「」の代用字)料理。料理人。「包丁
[名のり]かた・かつ・かぬ・かね・しげ・ふさ
難読包子パオズ

パオ【包】

《〈中国語〉》モンゴルなどの遊牧民が用いる饅頭まんじゅう型をした組み立て式の家屋。骨組みを木で作り、その上をフェルトで覆う。ゲル

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精選版 日本国語大辞典 「包」の意味・読み・例文・類語

くくみ【包】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「くくむ(包)」の連用形名詞化 ) つつむこと。また、つつんだもの。つつみ。
    1. [初出の実例]「跪屏風下鎮子、二枚左手、二枚右手、各了てくくみに持之」(出典玉葉和歌集‐文治三年(1187)一一月八日)

くるみ【包】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「くるむ(包)」の連用形の名詞化 )
  2. くるむこと。また、そのもの。
  3. 小児の抱き蒲団。おくるみ。
  4. くるみびょうし(包表紙)」の略。

ぐるめ【包】

  1. 〘 接尾語 〙 ( 動詞「くるめる(包)」の連用形から ) =ぐるみ
    1. [初出の実例]「侍ぐるめに小はる殿もらふた」(出典:浄瑠璃・心中天の網島(1720)上)

パオ【包】

  1. 〘 名詞 〙 ( 中国語から ) アジア遊牧民の天幕式家屋。支柱を用いずに、湾曲した梁を組み合わせて、その上をフェルトで覆ったもの。分解・組立てが簡単で移動に適している。ゲル。〔シベリヤ物語(1950‐54)〕

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普及版 字通 「包」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 5画

(旧字)
5画

[字音] ホウ(ハウ)
[字訓] はらむ・つつむ・いれる

[説文解字]

[字形] 象形
人の腹中に胎児のある形。〔説文〕九上に「人の妊(くわいにん)するに象る。巳(み)、中に在り。子の未だらざる形に象る。元气は子(ね)にる。子は人の生まるるなり」とし、なお十二支との関連を説くが、関係のないことである。うちに包蔵する意より、包括・包囲の意となる。

[訓義]
1. はらむ、みごもる。
2. くるむ、つつむ、ふくむ。
3. いれる、おさめる。
4. つつみもの、つつみ。
5. 古の天幕形式の家。
6. と通用し、つとの意。

[古辞書の訓]
名義抄 ツツモノ 〔字鏡集〕 シマ・ナシ・ツト・カヌ・ウラム・ツツム・ツツモノ

[部首]
〔説文〕に(胞)・匏の二字を属する。九上は「兒の生まるる裹(ふくろ)なり」とあって、胎衣。匏(ほう)はその形から名をえたものであろう。

[声系]
〔説文〕に声として・咆・(飽)・袍・(泡)・雹・鮑など十七字を収める。ほかに匏も声に加えるべき字である。おおむねの声義を承ける字である。

[語系]
peuは同声。pheuは胞衣、鳥には孵phiuといい、その声が近い。(茂)・楙muも関係のある語で、生命が生まれ、発展する意をもつ語である。

[熟語]
包囲・包・包裹・包懐・包括・包函・包含・包・包犠・包挙・包・包護・包羞・包蔵・包弾・包蓄・包纏・包頭・包庇・包覆・包封・包茅・包容・包羅・包絡・包・包籠
[下接語]
荷包・懐包・外包・緘包・含包・兼包・梱包・内包・包・牢包

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「包」の意味・わかりやすい解説


ほう

苞とも書き、包葉(苞葉)ともいう。小包総包片などを総括する広い意味に用いられることもあるが、普通、花序において腋(えき)に1個の花をつける葉的器官をさす。その腋花の花柄に葉的器官がついたとき、これを小包とよぶ。包は普通葉(茎葉)に比べて小さく、しばしば無柄となる。したがって、形も簡単になり、分裂や欠刻も浅くなるが、キンポウゲ属などでは逆に分裂が深くなることもある。花序のまとまりが弱ければ、普通葉は連続的に包に移行するが、花序がよくまとまっていれば、包は明らかに普通葉と区別され、極端な場合には退化、消失する。ブーゲンビレアなどでは包が大きく発達して着色し、花を包む。

[田村道夫]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「包」の意味・わかりやすい解説


ほう

包葉」のページをご覧ください。

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