出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
京都市東山区鷲尾(わしお)町にある天台宗の寺。山号は金玉山(きんぎょくさん)。本尊は薬師如来(やくしにょらい)。805年(延暦24)唐より帰った最澄(さいちょう)が、天台密教疏(しょ)500巻と護摩供用仏具を桓武(かんむ)天皇に献じたので、天皇は一伽藍(がらん)を建立してそれを収め、最澄に賜ったと伝える。傅翕(ふきゅう)が創建した中国浙江(せっこう)省の双林寺に似ているので、霊鷲山沙羅双樹林法華三昧無量寿(りょうじゅせんさらそうじゅりんほっけざんまいむりょうじゅ)院と名づけ、略して双林寺とよばれた。かつては支院17をもつ大寺であったが、境内が削られ、現在は大部分が円山(まるやま)公園となっている。西行(さいぎょう)法師(1118―90)は出家後東山に住し、当寺での歌があり、頓阿(とんあ)(1289―1372)も西行を慕って住した。また鹿(しし)ヶ谷(たに)事件で流罪となり出家した平康頼(やすより)は寺内の山荘で『宝物集』を著したといわれる。室町時代には時宗の国阿(こくあ)が念仏道場として復興し、国阿派(双林寺派)の根本道場となった。明治初期に天台宗に復した。門前に西行桜、西行庵(あん)、芭蕉(ばしょう)庵がある。本尊薬師如来坐像(ざぞう)は国の重要文化財。西行、頓阿、平康頼の供養塔、円山応挙の碑などがある。
[田村晃祐]
…東に接する迫町,若柳町との境に迫川の遊水池としての機能をもつ伊豆沼,内沼があり,冬季にはハクチョウ,ガン,カモなどが飛来し,天然記念物に指定されている。平安時代の薬師如来座像(重要文化財)を本尊とする双林寺(杉薬師)がある。【千葉 立也】。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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