同盟(読み)どうめい(英語表記)alliance

翻訳|alliance

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

同盟(国際法)
どうめい
alliance

同盟は、複数国が結合して、(1)第三国からの攻撃に対し共同防衛を行うもの(防御同盟)、(2)第三国に対し共同して攻撃を加えるもの(攻撃同盟)、(3)攻撃と防御を兼ねるもの(攻守同盟)、をいう。同盟条約の当事国は、同盟上の援助事由casus foederisの規定するところに従って、これらの共同行動をとることになる。日本に関係する重要な同盟には、日英同盟(1902)、日独伊三国同盟(1940)などがあった。
 同盟は、一般国際法上、国家の個別的安全を保障する有力な手段とされてきた。自助・自救の原理が支配する分権的な国際社会にあって、国家は、相対的な力関係の改善を求めて軍備拡張に専念し、仮想敵国(または仮想敵対集団)に対して優位の均衡を維持するため同盟政策の推進に狂奔する。しかし、熾烈(しれつ)な軍備拡大競争や敵対する大同盟の対峙(たいじ)が行き着くところは、二度にわたる世界大戦であった。軍備の自由、同盟の自由、戦争の自由、中立の自由を支柱とする伝統的な安全保障方式は、根本的な再検討を迫られるわけである。国際連盟や国際連合は、伝統的な方式にかわる集団的安全保障をとった。集団的安全保障は、国家集団の立場から、これに属する構成国の個別的安全を統一的に保障し、もって国際の平和と安全を維持しようとする国際体制である。国際平和秩序の確立を志向する集団保障体制は、戦争を制限し、さらに戦争に至らない強力行使までも規制するとともに、違法とされる戦争または強力行使に対する国際社会の反応ないし反発を組織化する。戦争または戦争の脅威は、すべて国際社会全体の一般的利害関係事項として、防止または鎮圧を目的とする集団保障措置の適用対象とされる。
 国連集団保障体制の下では、原理的にみて、戦争とか同盟が主権的自由として容認される余地はない。しかし、ここで注意すべきことがある。国連集団保障は、憲章第51条の集団的自衛権を法的な基礎として、特定の発動要件に従う「個別的強力の集団的行使」を許容している。集団的自衛権は、憲章第8章の地域的取極(とりきめ)と結び付くとき、その自律化を促し、NATO(ナトー)(北大西洋条約機構)や旧ワルシャワ条約機構などの法的な基盤となっている。このように、昔日の防御同盟も集団的自衛も、共同防衛の要請にこたえ、現象的には同種の作用を営むものであるが、法理上は異なる地位と機能を有する。ただし、集団的自衛が集団保障の客観的統制の枠を外されるとき、同盟的に作用するおそれがあることは否定できない。[森脇庸太]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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