デジタル大辞泉
「呂」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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りょ【呂】
- 〘 名詞 〙
- ① 雅楽で十二律のうち陰に属する音。断金(たんぎん)、勝絶(しょうせつ)、双調(そうじょう)、黄鐘(おうしき)、盤渉(ばんしき)、上無(かみむ)の六音をいう。六呂(りくりょ)。ろ。
- [初出の実例]「寄レ書仙鳥止、干レ呂瑞雲低」(出典:菅家文草(900頃)一・賦得詠青)
- ② 呂旋(りょせん)のこと。ろ。
- [初出の実例]「女のことにて、りょのうたはかうしも合はせぬをいたしと思ひて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)竹河)
- ③ 甲(かん)に対して一段と低い音や調子。たとえば一オクターブ下の音。また、一般に、低い声。乙(おつ)。
- [初出の実例]「祝言は、りょの声にて謡ひ出べし、深き習ひ有べし」(出典:申楽談儀(1430)祝言の音曲)
- ④ 謡曲の音階で最も低い音。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「呂」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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呂 (りょ)
中国や日本の音楽用語。中国古代の音楽理論に基づく名称として,1オクターブ内の12個の音律の半分を律,残り半分を呂と決めた。この律の音から三分損益(さんぶんそんえき)(法)を1回行って得た音で,律が陽性であるのに対して呂は陰性であると考えられ,〈陽律〉に対して〈陰呂〉ともいわれた。中国十二律のうち偶数番目の大呂(たいりよ),夾鐘(きようしよう),仲呂(ちゆうりよ),林鐘(りんしよう),南呂(なんりよ),応鐘(おうしよう)の6音をいう。また近代の日本音楽では,一つの音に対してそのオクターブ下の音をさして呂と呼び,甲(かん)に対する乙(おつ)と同義に用いることもある。
→十二律 →律呂
執筆者:三谷 陽子
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
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呂【りょ】
中国・日本の音楽理論用語。(1)十二律のうちの偶数番目に当たる六つの音。律に対する。(2)呂旋の略。理論的には律旋とならぶ日本の伝統音楽の旋法(実は音階)であるが,実質的には律音階に吸収。(3)ある音に対する1オクターブ下の音。(4)一般に低音域のこと。
→関連項目甲
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
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呂
りょ
中国,日本の音楽理論用語。中国では,十二律のうち,偶数番目にあって陰性をもつと考えられていた6個の律をいう。陽性の律に対する。日本では雅楽や声明 (しょうみょう) の音階の1つを意味し,本来は,三分損益法によって生じる標準的な五声もしくは七声の音階をいったが,現在の雅楽では,かつて半呂半律ともいったものを呂旋といい,律旋と対置する。また声明では呂の音階でできているとされている曲を呂曲といい,律曲や中曲と対置した。近世邦楽では,オクターブ関係にある2音の低いほうを呂という。この呂は乙ともいい,この場合の対語は,甲 (かん。または干) であって,律ではない。また漫然と低い音域を呂という。甲 (干) に対する。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の呂の言及
【十二律】より
…中国では古く周代から行われ,漢代以後その算定法が確立した。基準音の黄鐘(こうしよう)から[三分損益]法によって順に林鐘(りんしよう),太簇(たいそう∥たいそく),南呂(なんりよ),姑洗(こせん),応鐘(おうしよう),蕤賓(すいひん),大呂(たいりよ),夷則(いそく),夾鐘(きようしよう),無射(むしや∥ぶえき),仲呂(ちゆうりよ)の11音を求め,これを音高順に並べて,黄鐘,大呂,太簇,夾鐘,姑洗,仲呂,蕤賓,林鐘,夷則,南呂,無射,応鐘の12律とする。このうち奇数律の黄鐘,太簇,姑洗,蕤賓,夷則,無射の6律を陽としてこれを律と呼び,偶数律の大呂,夾鐘,仲呂,林鐘,南呂,応鐘の6律を陰として呂(りよ)と称する(六律六呂)。…
※「呂」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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