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太政官符(だいじょうかんぷ)・民部省符を得て不輸租を認められた荘園をいう。もともと荘園は輸租田であったので、領主の申請に基づいて四至(しいし)(境界)を確定し、不輸租としたもの。記録のうえでは845年(承和12)東寺領丹波(たんば)国多紀郡大山荘(兵庫県丹波篠山(ささやま)市)が早い例である。その手続は、申請により太政官から派遣された官使が国司・郡司および荘官らとともに現地を調査し、境域を定めて四至に牓示(ぼうじ)を打ち、四至・坪付(つぼつけ)(地積)を記した券文と絵図(荘園図)とを作成、そのうえで認定の文書を太政官・民部省から発給した。これを立券荘号という。しかし官省符荘となっても、検田使など国使の入部を排除できたわけではなく、10世紀以後は臨時雑役(ぞうやく)などを賦課されることも多く、しばしば国衙(こくが)と紛争を起こしている。
[村井康彦]
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太政官符,および太政官の命を諸国に施行する民部省符をうけて,領有を公認されるとともに,国家的賦課の免除(律令制下では不輸租,のちには不輸官物)の特権を獲得した荘園。律令制下に官省符によって保証された寺社の荘田は,平安中期までには大半が転倒し,荘園領主の膝元に所在するものを例外として,おおむね有名無実の状態となっていた。平安後期に広範に成立する土地と荘民を統一的に支配する領域型荘園と,直接につながるものではないが,中世荘園のうちには,前代から官省符荘であった由緒を新たに主張することによって,立荘されたものもある。
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…このほか地方に下す官符には使人の位姓名,駅鈴の口数が紙面袖に書かれる。官符は詔勅の施行も行うところから権威ある文書とされ,律令を修正・補足するものは〈格〉〈式〉として重んじられ,荘園制においては官符と民部省符で特権を認められた荘園は官省符荘といって由緒を尊重された。現存最古のものは750年(天平勝宝2)宮内省にあてられたもので《正倉院文書》中にある。…
…八省のうち民部省はその職掌上,地方諸国にも符を発することができ,荘園制が盛んなときは,不輸不入を認める官符とともに民部省符を発した。官符,民部省符を得た荘園は官省符荘(かんしようふしよう)といって権威づけられた。西海道(九州)は大宰府がおかれていたので,この地方へ下す官符はまず大宰府にあてられ,ついで大宰府の符が西海道諸国へ下された。…
※「官省符荘」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
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