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子どもの血液の病気の特徴と対策 こどものけつえきのびょうきのとくちょうとたいさく

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家庭医学館の解説

こどものけつえきのびょうきのとくちょうとたいさく【子どもの血液の病気の特徴と対策】

◎子どもに多い血液の病気
 子どもの血液の病気は、遺伝的なものや先天的な要因が加わったためのものが多く、また、年齢によっておこりやすい病気のあるのが特徴です。
 血液の病気が疑われるときは、まず小児科や内科を受診します。その結果、特殊な検査が必要となる遺伝性の病気のとき、重い感染症をくり返すとき、出血しやすいときなどは、受診した医師とよく相談し、血液専門の医師の診察を受けるようにしましょう。
赤血球(せっけっきゅう)系の病気
 もっともおこりやすいのは、貧血(ひんけつ)です。貧血かどうかは、血液中のヘモグロビン値、赤血球数、ヘマトクリット値を調べて診断しますが、子どもは年齢が進むにつれて基準値が変わってきますから(表「年齢別末梢血液所見(正常範囲)」)、これと照らし合わせて診断します。
新生児期の貧血
 おもにみられるのは、つぎのようなものです。
①先天性や遺伝性を含めた溶血(ようけつ)(赤血球がふつうより早くこわれて消失する)による貧血(新生児溶血性疾患)がおこるものには、遺伝性球状赤血球症、赤血球酵素(こうそ)異常症、ヘモグロビン異常症、血液型不適合などがあります。
②出血による貧血がおこるものには、胎盤内出血(たいばんないしゅっけつ)、胎児(たいじ)から母体への出血、双生児の一方から他方への出血、頭蓋内出血(ずがいないしゅっけつ)、帽状腱膜下出血(ぼうじょうけんまくかしゅっけつ)、消化管出血などがあります。
●乳児期の貧血
 心配のない生理的貧血のほか、未熟児にみられる早期貧血、鉄分の摂取不足でおこる鉄欠乏性貧血(てつけつぼうせいひんけつ)(「子どもの鉄欠乏性貧血」)、細菌などの感染でおこる感染性貧血などがみられます。
●幼児期以降の貧血
 幼児期以降は発育が早いので、結果的に鉄分不足になり、鉄欠乏性貧血がおこりがちです。とくに女子は、月経(げっけい)が始まると、鉄分の摂取が少し不足してもおこります。
子どもの貧血の対策
 貧血の検査はどこでも受けられますが、先天性や遺伝性の貧血が疑われるときは、血液専門医の診察が必要になってきます。
白血球(はっけっきゅう)系の病気
 白血球は、感染を防いだり、免疫(めんえき)に関与したりする重要な細胞で、顆粒球(かりゅうきゅう)、リンパ球、単球に大別できます。
 白血球数とその百分率は、出生時はおとなのそれよりも2~3倍も高く、以後しだいに低下して、5歳ごろからおとなの基準値に近づいてきます(表「年齢別末梢血液所見(正常範囲)」)。
●おもな病気
 白血病(はっけつびょう)(「白血病とは」)、悪性(あくせい)リンパ腫(しゅ)(「悪性リンパ腫」)、細網内皮腫(さいもうないひしゅ)などの悪性腫瘍(しゅよう)のほかに、免疫不全症候群(めんえきふぜんしょうこうぐん)(「免疫不全症候群」)、顆粒球減少症(かりゅうきゅうげんしょうしょう)などの白血球が減少する病気や顆粒球機能異常症がおこります。
●子どもの白血球の病気の対策
 重い感染症にくり返しかかる場合は、白血球の病気の可能性があります。受診している医師と相談し、血液専門の医師を受診しましょう。
◎出血性の病気
●新生児期の止血機能(しけつきのう)
 新生児期は、おとなに比べると出血しやすい状態にあります。しかし、それ以降になると、止血機能(コラム止血機能のしくみ」)はおとなと変わらなくなります。新生児期には、ビタミンKに依存する血液凝固因子(けつえきぎょうこいんし)(第Ⅱ、Ⅶ、Ⅸ、Ⅹ因子)の低値、線溶(せんよう)の亢進(こうしん)、血小板機能(けっしょうばんきのう)の低下がみられるためです。
●新生児期の出血性の病気
 ビタミンK欠乏(母乳だけで育てられている子どもに多い)、感染、呼吸窮迫症候群(こきゅうきゅうはくしょうこうぐん)(「新生児の呼吸障害」)、異常分娩(ぶんべん)などが原因でおこる播種性血管内凝固症候群(はしゅせいけっかんないぎょうこしょうこうぐん)(「子どもの播種性血管内凝固症候群」)、母親からの抗体(こうたい)移行、先天性風疹症候群(せんてんせいふうしんしょうこうぐん)(コラム「先天性風疹症候群」)、先天梅毒(せんてんばいどく)、トキソプラズマ感染が原因の血小板減少がみられます。
 まれですが、臍出血(さいしゅっけつ)、頭蓋内出血(ずがいないしゅっけつ)を初発症状とする凝固因子欠損症(ぎょうこいんしけっそんしょう)(先天性フィブリノゲン欠損症、先天性第因子欠損症)もあります。
●幼児期の出血性の病気
 肝臓病による凝固障害、感染、巨大血管腫(きょだいけっかんしゅ)などが原因の血小板減少のほか、血友病(けつゆうびょう)(「血友病(ヘモフィリア)」)などの先天性凝固障害による出血もみられるようになってきます。
●幼児期以降の出血性の病気
 幼児期から学童期にかけて、特発性血小板減少性紫斑病(とくはつせいけっしょうばんげんしょうせいしはんびょう)(「子どもの特発性血小板減少性紫斑病」)のほか、風疹(ふうしん)、はしかなどのウイルス感染症に合併しておこる血小板減少症やアレルギー性紫斑病(「アレルギー性紫斑病(アナフィラキシー様紫斑病/シェーンライン・ヘノッホ紫斑病)」)、血小板無力症(むりょくしょう)などの先天性血小板機能異常症(「血小板機能異常症」)、アスピリンなどの薬剤による血小板機能低下にともなう出血などが多くなってきます。
●子どもの出血性の病気の対策
 問診や症状から、医師であればおおよその病名の推定が可能です。
 しかし、確実な診断には、凝固因子測定、血小板機能検査などが必要なこともあるので、受診している医師と相談し、血液専門医を受診しましょう。

出典|小学館
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それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。この事典によって自己判断、自己治療をすることはお止めください。あくまで症状と病気の関係についてのおおよその知識を得るためのものとお考えください。

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