幼気(読み)イタイケ

デジタル大辞泉 「幼気」の意味・読み・例文・類語

いたい‐け【幼気】

[形動][文][ナリ]《「いた(痛)きけ(気)」の音変化で、心が痛むくらいいじらしいさまをいう》
子供などの痛々しく、いじらしいさま。「幼気遺児
幼くてかわいいさま。「幼気女の子
小さくてかわいらしいさま。いとけない。
「―な撫子なでしこ処々に咲いた」〈啄木鳥影
[類語]無邪気あどけない可憐かれんかわいい愛おしい愛しい愛らしい愛くるしい愛愛しい可愛らしいいじらしいしおらしいめんこいキュートしとやかうぶういういしい無心天真爛漫天衣無縫イノセント罪が無いほほえましいほおえましいほのぼのほんわか愛嬌あいきょう愛想あいそなごむなごやか憎めないチャーミング癒やし系癒やすラブリーがんぜないいとけない

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精選版 日本国語大辞典 「幼気」の意味・読み・例文・類語

いたい‐け【幼気】

  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙
  2. 幼くてかわいらしいさま。素朴なさま。また、子どもなどのいじらしいさま。
    1. [初出の実例]「詩は、〈略〉いたいけながよいなり」(出典:中華若木詩抄(1520頃)上)
    2. 「おさなうて年もいかぬいたいけなと云て」(出典:玉塵抄(1563)三五)
  3. 幼稚で愚かなさま。
    1. [初出の実例]「いたいけおかしき事にて候由申候」(出典:大乗院寺社雑事記‐文明一一年(1479)一一月朔日紙背)
  4. (物などが)小さくて愛すべきさま。
    1. [初出の実例]「いたいけなる小庭也」(出典:看聞御記‐嘉吉三年(1443)二月二一日)
  5. 言動に思いやりがあり、やさしいさま。
    1. [初出の実例]「心ざしやさしくいたいけにて」(出典:洒落本・傾城觿(1788))

幼気の語誌

形容詞的に用いる際には、鎌倉時代頃までは「いたいけす+たり」の形を取るが、室町時代頃に「いたいけなり」という形容動詞形が現われて定着した。

幼気の派生語

いたいけ‐さ
  1. 〘 名詞 〙

おさな‐ぎをさな‥【幼気・稚気】

  1. 〘 名詞 〙 子供らしい気持。幼いころの気持。ちき。おさな心。
    1. [初出の実例]「姿こそは幼(やさし)げなれ〈略〉此人すがりて見ばやと是も少女気(ヲサナギ)」(出典:別れ霜(1892)〈樋口一葉〉五)

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