デジタル大辞泉
「和む」の意味・読み・例文・類語
のど・む【▽和む】
[動マ下二]
1 気持ちなどを落ち着かせる。やわらげる。静める。
「心―・めて、人遣りならぬ闇に惑はむ道の光にもし侍らむ」〈源・柏木〉
2 物事や動作を控えめにする。ゆるめる。
「このもののたまふ声を、少し―・めて聞かせ給へ」〈源・常夏〉
3 時間をのばす。猶予する。
「限りある御命にて、この世尽き給ひぬとも、ただ、いましばし―・め給へ」〈源・若菜下〉
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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のど・む【和】
- 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙
- [ 一 ] 心や気持をのどかにする。
- ① 心や気持を落ち着かせる。やわらげる。なごめる。気持を押える。
- [初出の実例]「たちもとまらでゆきすぐれば、心ちのどめて思ふ」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
- ② 心をゆったりと寛大にする。のんきにする。
- [初出の実例]「のどめたる所おはせぬ大臣の、おぼしもまはさずなりて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)賢木)
- [ 二 ] 物事をのどかにする。
- ① ゆるめる。ひかえめにする。
- [初出の実例]「この物宣ふ声を少しのどめて聞かせ給へ」(出典:源氏物語(1001‐14頃)常夏)
- ② 猶予する。さしおく。後まわしにする。ゆっくりする。
- [初出の実例]「そのたなばたのたち縫ふ方をのどめて、長き契りにぞあえまし」(出典:源氏物語(1001‐14頃)帚木)
なご・む【和】
- [ 1 ] 〘 自動詞 マ行五(四) 〙 なごやかになる。やわらぐ。静かになる。
- [初出の実例]「なほざりごととは見給ひながら、おのづからなごみつつものし給ふを」(出典:源氏物語(1001‐14頃)夕霧)
- 「いつの間にか志村の気持も、落つき、和(ナゴ)んで来てゐた」(出典:今年竹(1919‐27)〈里見弴〉焼土)
- [ 2 ] 〘 他動詞 マ行下二段活用 〙 ⇒なごめる(和)
にき・む【和】
- 〘 自動詞 マ行四段活用 〙 =にきぶ(和)
- [初出の実例]「此の意を悟りて其の人等の和美(にきミ)安み為べく相言へ、驚ろ驚ろしき事行なせそ」(出典:続日本紀‐宝亀七年(776)四月一五日・宣命)
にこ・む【和】
- 〘 自動詞 マ行四段活用 〙 おだやかになる。なごむ。
- [初出の実例]「是を以て、天神地祇共に和享(ニコミ)て、風雨時に順ひ百の穀(たなつもの)用て成りぬ」(出典:日本書紀(720)崇神一二年九月(熱田本訓))
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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