しおらしい(読み)シオラシイ

デジタル大辞泉 「しおらしい」の意味・読み・例文・類語

しおらし・い〔しをらしい〕

[形][文]しをら・し[シク]《「しお(萎)れる」の形容詞化か》
控えめで従順である。慎み深く、いじらしい。「お見合いの席で―・く振る舞う」
かわいらしい。可憐である。「岩陰小花が―・く咲く」
けなげである。殊勝である。「いつもは腕白な子が―・いことを言う」
上品で優美である。
紙幣いくらか取出して小菊の紙に―・く包みて」〈一葉十三夜
(反語的に)こなまいきで、かんにさわるさま。こざかしい。
「―・しき有財餓鬼うざいがき、この世のいとま取らさん」〈浄・廿四孝
[派生]しおらしげ[形動]しおらしさ[名]
[類語](1物静か内気弱気引っ込み思案気弱内弁慶陰弁慶臆病大人しいこわがり小心小胆怯懦きょうだ怯弱きょうじゃく意気地なし小心翼翼弱腰薄弱惰弱柔弱軟弱優柔不断やわやわ弱弱しい女女しい弱音を吐く・音を上げる悲鳴を上げる・気が弱い腰が弱い煮え切らない肝が小さい・肝っ玉が小さい・温順柔順従順温柔温良順良素直穏和おだやかおとなしやか控えめ優しい内向的人見知りしんねりむっつりシャイ心静か安らか安穏のどか悠長悠然悠悠悠揚浩然どっしり気長伸び伸び伸びやかのんびり屈託無い自然体のんどりしなやかしとやかなよやかなよなよしっとり物柔らか静静しずしずソフトおっとり婉然えんぜん閑語たおやかナイーブ心優しい柔和温雅鷹揚おうよう静心しずこころ従容しょうよう悠悠閑閑おおどかつつましい奥ゆかしい泰然自若平静冷静しみじみしっぽりしんみり静まる温顔温容春風駘蕩たいとう穏便粛粛静謐せいひつ静粛/(2しとやか可愛い可愛らしい愛おしい愛しい愛らしい愛くるしい愛愛しいあどけないいじらしいめんこい可憐かれんキュートいたいけほほえましいほおえましいほのぼのほんわか愛嬌あいきょう愛想あいそなごむなごやか憎めないチャーミング癒やし系癒やすラブリーがんぜないいとけない/(4みやびやか優雅優美みやび高雅典雅風雅優形やさがた上品ゆかしい奥ゆかしいしとやかたおやか女性的エレガントドレッシー婉麗えんれい優優典麗麗しい静淑優婉閑雅婉然楚楚そそ窈窕ようちょう端麗温雅物柔らか気高い気品雅趣高尚つつましいつつましやか清雅高踏雅致﨟長ろうたける雅びる端雅都雅やんごとない高貴

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精選版 日本国語大辞典 「しおらしい」の意味・読み・例文・類語

しお‐らし・いしほ‥

  1. 〘 形容詞口語形活用 〙
    [ 文語形 ]しほら〘 形容詞シク活用 〙 ( 「らしい」は接尾語 )
  2. 上品で優美な様子である。
    1. [初出の実例]「謡はすげなく候ては悪しく候。匂ひの候て、しほら敷、ぼけやかなるがよく候」(出典:禅鳳雑談(1513頃)上)
  3. ひかえめで従順な様子である。
    1. [初出の実例]「祝はしをらしき者にて、弁舌あり」(出典:応永本論語抄(1420)雍也第六)
  4. かわいらしい。可憐(かれん)である。〔日葡辞書(1603‐04)〕
    1. [初出の実例]「ゑくぼが、両のほに、七八十百ばかりいって、ようあらしほらしやと思ふて」(出典:虎明本狂言・枕物狂(室町末‐近世初))
  5. けなげな様子である。感心である。殊勝である。相手を見くびっていうこともある。
    1. [初出の実例]「ヤアがきも人数、しほらしい事ほざいたり」(出典:浄瑠璃・国性爺合戦(1715)二)

しおらしいの派生語

しおらし‐げ
  1. 〘 形容動詞ナリ活用 〙

しおらしいの派生語

しおらし‐さ
  1. 〘 名詞 〙

しおらしいの派生語

しおらし‐み
  1. 〘 名詞 〙

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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