デジタル大辞泉
「括る」の意味・読み・例文・類語
くく・る【▽括る】
[動ラ五(四)]
1 ひもや縄などを掛けて、ばらばらの物を一つにまとめて縛る。束ねる。「古新聞をひもで―・る」
2 ある物に他の物を縛りつける。ひっくくる。「犯人を木に―・る」
3 物事にまとまりをつける。締めくくる。「話を―・る」
4 一つにまとめる。ひとまとまりにする。「数式a+bを括弧で―・る」「アイドルとひと言で―・るのは無理がある」
5 (「縊る」とも書く)自分で首をつって命を絶つ。縊死する。「首を―・る」
6 (「たかをくくる」の形で)程度を予測する。物事を軽くみる。見くびる。「ちょっとした傷とたかを―・る」
7 (「腹をくくる」の形で)覚悟を決める。決意を固める。「腹を―・って結果を待つ」
8 くくり染めにする。
「ちはやぶる神代も聞かず竜田川からくれなゐに水―・るとは」〈古今・秋下〉
9 自由を拘束する。引き留める。
「耳へ入れば夜明けまで―・られる」〈浄・天の網島〉
[可能]くくれる
[用法]くくる・しばる――「荷物をひもでくくる(しばる)」「犯人をくくる(しばる)」などでは、相通じて用いられる。◇「くくる」は「袖口をくくる」「括弧でくくる」のように、ばらばらな物をまとめる意に重点があり、この場合「しばる」は使わない。◇「しばる」は「傷口をしばる」「校則でしばる」など、動かないようにする、束縛するの意に重点があり、この場合「くくる」は使わない。◇類似の語に「むすぶ」「しめる」がある。ひもなどの端を組み合わせてつなぐのが「むすぶ」で、より強く結ぶのが「しめる」である。
[類語]束ねる・束ねる・絡げる・ひっくくる・ひっくるめる・纏める・取り纏める・一纏め・結束・十把一絡げ
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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くく・る【括】
- 〘 他動詞 ラ行五(四) 〙
- ① ばらばらのものを縄や紐(ひも)などで一つにたばねる。まとめて結ぶ。まとめる。
- [初出の実例]「玉こそば 緒の絶えぬれば 八十一里(くくリ)つつ またも逢ふといへ」(出典:万葉集(8C後)一三・三三三〇)
- 「此夏もかなめをくくる破扇(やれあふぎ)〈園風〉 醤油ねさせてしばし月見る〈猿雖〉」(出典:俳諧・猿蓑(1691)五)
- ② 物のまわりを縄や紐などでしばる。締める。ゆわえる。
- [初出の実例]「腰をくくられて」(出典:古本説話集(1130頃か)五八)
- 「皮にて、まろく、くくりなせる、まり」(出典:名語記(1275)五)
- ③ 自由を束縛する。強制して物事をさせる。
- [初出の実例]「あけ暮渡世のいとなみにくくられて」(出典:浮世草子・傾城色三味線(1701)湊)
- ④ 物事に、ある区切りやまとまりをつける。まとめる。しめくくる。「かっこでくくる」
- [初出の実例]「カンジョウヲ kukuru(ククル)」(出典:改正増補和英語林集成(1886))
- ⑤ 物事のありさまをあらかじめはかる。予想する。「高をくくる」
- [初出の実例]「地の人ならねば跡を引かれてからが、高が知れてあると、中括りに括って」(出典:浮世草子・傾城禁短気(1711)五)
- ⑥ 括染(くくりぞめ)にする。
- [初出の実例]「ちはやぶる神世もきかずたつた川から紅に水くくるとは〈在原業平〉」(出典:古今和歌集(905‐914)秋下・二九四)
- ⑦ ( 縊 ) ( 首をくくるの意から ) 縊死(いし)する。
- ⑧ 双六(すごろく)で、敵の進出するのをはばむ意か。
- [初出の実例]「六さきくくった双六に、くぐれ松山一六を、振り出したる如くなり」(出典:浄瑠璃・加賀国篠原合戦(1728)三)
- ⑨ 絵の主要な部分などを、すこし濃い色で線を加えたり、隈取(くまど)りしたりする。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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