デジタル大辞泉 「木霊」の意味・読み・例文・類語
こだま[列車・中継衛星]
宇宙開発事業団(現
( 1 )同類の葉守りの神が善神であるのに対し、①は、古く「魅」「魍」の字が当てられ、人間にたたりをなす妖怪変化の類、狐や天狗と同列ないしはそのものと思われていた。
( 2 )②も、山に住む妖怪が返事するものと考えたところにその起源をもつ。
樹木に宿る精霊をいう。《和名抄》では樹神を〈和名古多万〉としている。また《源氏物語》の〈手習〉に〈たとひ,まことに人なりとも,狐・木魂やうのものゝ,欺きて,とりもて来たるにこそ侍らめ〉とあり,木霊は古くから怪異をなす霊とされていた。《徒然草》235段にも〈あるじなき所には……こたまなど云ふ,けしからぬかたちもあらはるるものなり〉とある。また《嬉遊笑覧》などでは天狗のこととされている。今日では,木霊は山などで人の声を反響する山彦のこととされているが,もとは山彦も山の樹木に宿る精霊のなせるわざと考えられていた。今日でも,伊豆の八丈島や青ヶ島では枝の茂った大木にはキダマサマとかコダマサマという神が宿るといい,この木を切るとたたりがあるという。山で伐採するときもキダマサマの宿る木を必ず一本残すといい,青ヶ島では棟上式に家の材木からキダマを落とす儀礼が見られ,神社には〈大木玉様〉や〈木玉天狗〉という神がまつられている。
執筆者:飯島 吉晴
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
樹木に宿る精霊。また転じて山の反響をいう。樹木に精霊の宿ることは、広く諸民族に信じられていた。日本でも同様で、『延喜式(えんぎしき)』には、遣唐使船をつくるための樹木を伐採するとき、木霊ならびに山の神を祭ったという記事がある。『源氏物語』や『徒然草(つれづれぐさ)』では妖怪(ようかい)ふうのもののように記されている。沖縄でキジモノといわれる妖怪も木の精の意で、古木をすみかにした童形の魔物で、これと親しくなると漁運に恵まれ、富み栄えたという話が多い。山の樹木の霊であっても、船材にするため海の漁と関連するのであり、また霊的なものが妖怪化する過程をみることができる。山の反響の谺(こだま)は、音声が山に当たって返ってくるのを、山の霊がこたえるのだと考えたものである。山彦(やまびこ)、山響き、山鳴りなどといい、山の神、山男、天狗(てんぐ)、天邪鬼(あまのじゃく)などが人まねをするともいう。物理現象を怪異現象のように受け止めていたのである。
[井之口章次]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
…また螭蜽とも書く。中国の《左伝》の注に〈魑魅は山川の異気の生む所にして人に害をなすもの〉,また,《国語》の〈木石の怪を夔蜽(きもうりよう)と曰(い)う〉の注に〈蜽は山精,好んで人の声を斅(まな)びて人を迷惑(まどわ)す〉とあるように,こだま,すだまの類をさす。これらは地方的な精霊であるため,中央集権的な神々の体制には服さず,それゆえ,人々が何の準備もなくこうした精霊と遭遇するのは危険であるとされた。…
…大気中を伝わる音波が固体面によって反射され,音源の方向に戻って来る現象。こだま,エコーともいう。一般には野外で音波が山体,崖,木立,家屋など大規模な地物で反射して来る場合にいい,室内で起こる同種の現象は反響(場合によっては残響)と呼ぶ。…
※「木霊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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