デジタル大辞泉 「合印」の意味・読み・例文・類語 あい‐じるし〔あひ‐〕【合(い)印】 1 器物などの組み合わせが紛れないように、それぞれにつけておくそろいのしるし。2 他と区別するためのしるし。特に戦場で敵味方の区別をするために、兜かぶとや袖そでの一部につけた一定の標識。3 (「合い標」とも書く)裁縫で、2枚以上の布を縫い合わせるとき、合わせ目につけておくしるし。4 「あいいん(合い印)」に同じ。[類語]合図・信号・シグナル・サイン・手招き・目配せ・ウインク・片目をつぶる・暗号・目交ぜ・目印・標識・狼煙のろし・烽火・号砲・警鐘・半鐘・振鈴 あい‐いん〔あひ‐〕【合(い)印】 別の帳簿や書類と対照したしるしに押す印。合い判はん。あいじるし。[類語]捨て印・契印・割り印・検印・消印・烙印・合い判・朱印・証印・連判・調印 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例 Sponserd by
精選版 日本国語大辞典 「合印」の意味・読み・例文・類語 あい‐じるしあひ‥【合印】 〘 名詞 〙① 戦場で敵味方の区別をはっきりさせるために、笠、袖その他、武装の一部につける一定の目印。[初出の実例]「一軍のあいしるしにそ」(出典:史記抄(1477)六)② 区別をするために、物につけておく目印や記号。[初出の実例]「此日、相識共仕立候也」(出典:上井覚兼日記‐天正一四年(1586)一〇月六日)[その他の文献]〔日葡辞書(1603‐04)〕③ 裁縫で、二枚以上の布を縫い合わせる時、間違いの起こらないように、継ぎ目につけるしるし。躾糸(しつけいと)で縫いつけたものを縫標(ぬいじるし)、へらでつけたものを合篦(あいべら)という。④ =あいいん(合印) あい‐いんあひ‥【合印】 〘 名詞 〙 別の帳簿や書類と対照したしるしに押す印。合判(あいはん)。あいじるし。〔地方凡例録(1794)七〕 出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例 Sponserd by
日本大百科全書(ニッポニカ) 「合印」の意味・わかりやすい解説 合印あいじるし 戦陣において敵と味方を的確に把握するため、武具などにつけて目印としたものをいう。相標とも書く。夜襲の際、また乱戦などが予想される場合に、味方の同士討ちを避けるため、合いことばとあわせて用いた。白だすきをするとか、白布を刀の柄(つか)に巻くなど、適宜にいろいろなものを使ったが、取り付け箇所によって呼び名も異なる。たとえば、小旗を兜(かぶと)の前とか後ろにつける笠標(かさじるし)、鎧(よろい)の左右の袖(そで)につける袖標、または腰につける腰標などがあるが、笠標がもっとも多く用いられた。ほかに、記帳の照合に用いるの字を彫った印もいう。[稲垣史生] 出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例 Sponserd by
世界大百科事典(旧版)内の合印の言及 【笠印】より …笠標,笠験,笠符,笠璽,笠注とも書く。戦時,敵・味方識別のために,各自がつけた合印,目印。笠(兜の鉢の後ろの鐶(かん)や前立てにつけることが多い)に挿頭した目印であるので,かさじるしと呼ぶとされるが,語源は明確ではない。… ※「合印」について言及している用語解説の一部を掲載しています。 出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」 Sponserd by