愛媛県北部,今治市の北方,大島との間の海峡。瀬戸内海の中央に位置し,斎(いつき)灘と燧(ひうち)灘を結ぶが,また中国地方と四国を結ぶ最短航路でもあり,海上交通の十字路となっている。海峡中には有人5島,無人6島があり,それらの島によって中水道,西水道,東水道,間(あい)の瀬の4水路に分かれる。潮流落差1m,最強流速6~8ノットの急潮流と岩礁のため海難事故が絶えない。1909年に中渡(なかと)島に日本初の潮流信号所が設置されたのをはじめ,現在灯台,灯標,灯浮標などで航行の安全をはかっている。夜間に灯をたいて集まる魚を直径2mもある網ですくいとる岩戸漁業が古くからみられる。来島,武志(むし)島,中渡島などには戦国期に村上水軍一派来島氏の城が置かれ,明治中期小(お)島には芸予要塞として砲台が築かれた。本州四国連絡橋尾道~今治ルート(西瀬戸自動車道)は1999年全線開通した。瀬戸内海国立公園に含まれる。
執筆者:穐岡 謙治
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瀬戸内海の中西部、愛媛県の今治(いまばり)市と大島間、斎灘(いつきなだ)と燧(ひうち)灘との間にある海峡。中国地方と四国を結ぶ西の重要航路で、1日に1500隻もの船舶の航行がある。8~10ノットにも達する潮流があり船舶航行の難所で、海難事故も多い。潮流が速く、複雑な変化をするのは島の分布や海底地形が関係し、鳴門(なると)海峡、関門海峡と並んで有名である。船舶の航行は特定水域航行令(1952)により一方交通方式がとられる。水路のうち中水道(馬(うま)島と中渡(なかと)島の間で、水道の幅450メートル)では順潮航行、西水道(小島と馬島間、870メートル)では逆潮航行が行われ、東水道(武志(むし)島と大島間、600メートル)は暗礁が多く大型船の航行は不能である。海峡には安全航行のため灯台8、灯標5、灯浮標4、中渡島には潮流変化を表示する潮流信号所などがある。
[深石一夫]
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