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植物性,動物性,合成などあらゆる繊維でつくった織物,編物などを浸染(しんせん),その他の方法で染めたもの。無地染と文様染に大別される。無地染は織物,編物を材質にしたがってさまざまな方法で精練あるいは漂白した後,手染または機械を用いて浸染,引染,吹染,パッティング染または媒染などの法によって色無地に染めたものをいう。織物発生後まもなく行われたと考えられ,世界各地で長い歴史を保ちつづけている。文様染の種類と方法はきわめて多い。技法的に大別すると,(1)直接に文様を印花する法,(2)文様を防染して浸染する法,(3)織物を無地染し文様を化学的に抜染する法,(4)その他,ぼかし染,吹染,墨流し染などの法である。(1)には筆やはけなどで文様を描く描絵,描更紗と各種の型(型紙,木型,銅型,スクリーン型など)を用いるものがある。(2)には溶融した蠟類を用い,手描きや型によって防染する﨟纈(ろうけち)法,絞染(しぼりぞめ)法,纈(きようけち)法(板締法)などがある。これら染物の歴史,技術,理論については〈染色〉の項目を参照されたい。
執筆者:上田 敬二
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出典 日外アソシエーツ「事典 日本の地域ブランド・名産品」事典 日本の地域ブランド・名産品について 情報
… 直接染料による木綿の染色の実例を次に示す。繊維重量の1~8%の直接染料,ボウ硝Na2SO4・10H2O10~40%,浴比(可染物重量に対する全染液容量)1:20~1:40の染浴をつくり,あらかじめ精練漂白した木綿を入れ,室温からゆっくり昇温して沸点近くで30~40分染色し,水洗,乾燥して完了する。反応染料による木綿染色は,セルロースのOH基と染料分子が共有結合をつくるため湿潤堅牢度が著しく高く染法も簡便であるので,今日最も重要なセルロース系繊維の染色法となった。…
※「染物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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