(読み)セン

デジタル大辞泉 「染」の意味・読み・例文・類語

せん【染】[漢字項目]

[音]セン(慣) ゼン(漢) [訓]そめる そまる しみる しみ
学習漢字]6年
色をしみ込ませる。そめる。「染色染織染毛染料捺染なっせん
色がつく。しみ込む。影響を受ける。「汚染感染薫染浸染伝染

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「染」の意味・読み・例文・類語

しみ【染】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「しむ(染)」の連用形名詞化 )
  2. 色、香りなどのしみこむこと。また、染(そ)めたりして彩色すること。また、そのもの。
    1. [初出の実例]「しみふかく人のとめても枕香をこがるるむねにおきあかしつつ」(出典:草根集(1473頃)八)
  3. 液などが部分的にしみついて汚れること。また、その部分。転じて、精神的な傷、汚れ。また、業績、経歴などの不名誉な、あるいは好ましくない点。汚点(おてん)
    1. [初出の実例]「ハテ胴裏はしみが有ても貪着はねえ」(出典:滑稽本・四十八癖(1812‐18)三)
    2. 「自分の幸福にさへ黒い汚点(シミ)が出来たやうに思はれた」(出典あらくれ(1915)〈徳田秋声〉三)
  4. しみじみとした持ち味。
    1. [初出の実例]「石河の女郎の能は、十番を一通りして、中年寄りて元雅すべき能也。千方も、年寄りて、しみ出で来てすべし」(出典:申楽談儀(1430)能書く様、その一)
  5. 人の皮膚に生じる、褐色の比較的境界がはっきりしている色素沈着斑。内分泌や肝臓機能の障害によることが多い。肝斑(かんぱん)の俗称。
    1. [初出の実例]「頬や掌に斑点(シミ)のできはじめるのはこの年ごろからであるから」(出典:雁の寺(1961)〈水上勉〉一)

ぜん【染】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 ) 仏語。不純であること。けがれていること。また、そのさま。
    1. [初出の実例]「一には外は浄に内は染なる、〈略〉仏法の中の賊なり」(出典:米沢本沙石集(1283)一〇本)

そめ【染】

  1. 〘 名詞 〙 ( 動詞「そめる(染)」の連用形の名詞化 ) 染めること。また、染めた色や染めた物。
    1. [初出の実例]「茶屋染。中古はもっぱら此染を好みし」(出典:万金産業袋(1732)四)

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普及版 字通 「染」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 9画

[字音] セン
[字訓] そめる・そまる・しむ・しみる・けがす

[説文解字]

[字形] 会意
水+朶(だ)。朶は木の枝葉のしだれている形。木の枝葉をたわめて水に漬け、染色をする。〔説文〕十一上に「(きぬ)を以て染めて色を爲す」とあり、〔周礼、天官、染人〕に染草の法をしるしている。古くは染料に多く草木を用いた。

[訓義]
1. そめる、そまる、色をつける、色をしませる。
2. しむ、しみる、うつる。
3. けがす、よごれる、色がつく。
4. 染(じんせん)、しなやかなさま。

[古辞書の訓]
名義抄〕染 ソム・ニラグ 〔立〕染 ニラグ・ケガシテ・ナラヒテ・ソム・シヅム

[声系]
〔説文〕に染声としての二字を収める。濡染の意。黠(けんかつ)をいう。

[語系]
染・njiamは同声。濡njioと声義が近い。

[熟語]
染愛・染・染羽・染汚・染・染・染感・染薫・染戸・染古・染工染毫染采・染髭・染糸・染指染漬染疾染鬚染濡・染習・染尚・染色・染・染逮・染筆・染服・染累・染惑
[下接語]
愛染・汚染・浣染・感染・染・揮染・旧染・薫染・再染・習染・織染・浸染・染・沾染・遷染・漸染・伝染・捺染・媒染・累染

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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