桜峠(読み)さくらとうげ

日本歴史地名大系 「桜峠」の解説

桜峠
さくらとうげ

[現在地名]阿山町丸柱

正しくは七里しちり峠。丸柱まるばしらより滋賀県信楽しがらき神山こうやまへの道筋国境にある。建武二年(一三三五)一二月八日、仏光ぶつこう(現京都市)七世空性了源がこの峠にて殺害され、鮮血積雪を染め、あたかも桜花の散るに似たので桜峠というようになったと伝える。仏光寺一〇世唯了筆の仏光寺中興了源上人伝によれば、了源は建武初年頃、遠江三河尾張を教化し「伊賀国綾ノ郡ノ坊舎ニウツリ給テ化導シタマフニ上足弟子ステニ四十八人ニ及ベリ」と教線を広げていたが、「カク在ケレバ邪徒、念仏宗門ノ繁栄ヲ妬ミ、亦聖道門ノ衰微ヲ怒リ上人ヲ殺害セン事ヲ計リテ」とあって、宗派上の争いにより、他宗徒に雇われた伊賀国山田やまだ庄の盗賊山田八郎らの手によって殺害せられた。


桜峠
さくらとうげ

神童子じんどうじの天神社から東に登りつめ、加茂かも町の木津きづ川北岸(現加茂町大字西)へ降りる峠(一六〇メートル)。峠道は現在寂れて小道となっているが、近世には伊賀街道として盛んに利用された。

天保年間(一八三〇―四四)の「狛名所」に「北吉野蔵王権現(神童子)参籠して、たつる月日も春めきて、千本桜打詠め、おのおのたちの色紙、短冊なかむれた一首に、ふむなふむな落ちぬる花を、みよし蔵王も足を上げてこされば、ちれは□いとど桜は目出度けれ目出度けれ花もされともそふしはされども」とあるように、峠道は桜の名所であったことから桜峠の名がある。


桜峠
さくらとうげ

山口やまぐちの西端、本耶馬渓ほんやばけい東屋形ひがしやかたとの境に位置する峠で、標高は二五〇メートル。古くは宇佐・下毛両郡の郡境であった。「太宰管内志」には「羅漢寺より宇佐宮ノ方にゆく人桜峠と云所を越ゆる事なり」とあり、古くから下毛郡羅漢らかん(現本耶馬渓町)―宇佐宮とを結ぶ参詣路にあたっていた。一方、宇佐地方の人々にとっては当峠越の道は山国やまくに道を経てひこ山に通じており、彦山ひこさん道ともよんでいた。「四日市村年代記」延宝五年(一六七七)条に「去年来山口桜峠の崩割口当四月迄に長百七拾八間計および、凡壱丈程下る」とあり、峠道が崩壊している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「桜峠」の意味・わかりやすい解説

桜峠
さくらとうげ

奈良県中東部,宇陀市東吉野村の境にある峠。佐倉峠とも書く。標高 400m。奈良盆地と伊勢地方を結ぶ伊勢街道 (国道 166号線) 上の要地であった。

桜峠
さくらとうげ

天引峠」のページをご覧ください。

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デジタル大辞泉プラス 「桜峠」の解説

桜峠

石川県鳳珠郡能登町にある道の駅。主要地方道内浦柳田線に沿う。

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