出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
鉾、戈、戟、槍、桙とも書く。古代から平安末期に至るまで用いられた、双刃(もろは)の突き刺しのための長柄(ながえ)の武具。古墳などに広幅で刃もない青銅製の非実用のものが副葬され、かつ記紀に天沼矛(あまのぬぼこ)の島生みの伝説があるように神秘的・宗教的な性格もあった。同じく記紀にみえる比々羅木(ひひらぎ)の八尋(やひろ)矛、赤矛、黒矛などは木製で、呪術(じゅじゅつ)的な象徴的武具であったことを物語る。このため長く神前や宮門を飾る威儀の具として、盾と組み合わされて用いられた。奈良春日(かすが)大社に残る神宝の鉾(平安時代)や、『伴大納言絵詞(ばんだいなごんえことば)』や『文永加茂(ぶんえいかも)祭絵巻』にみる検非違使(けびいし)の放免の携帯する鉾、賀茂競馬に現在も用いられる儀仗(ぎじょう)の鉾など、その遺風である。
奈良時代の実用具として正倉院(しょうそういん)に23口収蔵され、片鎌や後世の槍(やり)状の穂の形式が認められるが、原則として、穂に柄を付けるのに槍・長刀(なぎなた)のように中茎(なかご)をもってせず、穂袋に柄を差し込むのが特徴である。片手に盾を持ち、右手のみで鉾を操作するため、柄はあまり長くなく、かつ「鋭(と)き鉾の中執(と)り持ちて」(中臣(なかとみ)の寿詞(よごと))にあるように、柄の中ほどをとって突くことになる。このため石突(いしづき)を鋭利にしたり、柄に糸を巻いたもの(春日大社神宝)もある。このように片手操作を原則としたためか、戦闘が漸次、熾烈(しれつ)になる平安末期ごろから、両手で全力でなぎ切り、突くことのできる長刀や中世の槍に、その座を譲ることになる。
[齋藤愼一]
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→銅矛
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
…矛は長い柄を装着する刺突用の武器のうち,柄を挿入する袋状の装置(銎(きよう))があるものを指す。銅矛すなわち青銅製の矛はまず中国で用いられるようになり,後に朝鮮・日本に伝わった。…
…すなわち,鎖帷子(くさりかたびら),鎖靴下,冑(兜),剣,槍,盾,棍棒,短剣,肩当,鉄靴,軍衣,下着,ズボン,靴下,帯,外套,毛皮の17品目だが,このうち槍と剣がおよそ8kg,兜と鎖帷子と盾だけで25kgを超えるから,明らかに防御の武器に重点がかかっている。
[歩兵の役割――弩と矛]
騎士戦華やかな時代にも,歩兵が廃絶したわけではない。それどころか,補助兵力として不可欠だったほかに,攻城戦や籠城戦では決定的な役割を演じた。…
…長い柄をもった尖頭器。柄をさし込む部分が袋状になっているものは矛(ほこ)とも呼ばれる。
【先史・古代の槍】
木製,竹製の槍は,古くから人類が武器として用いたにちがいない。…
※「矛」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
4月1日の午前中に、罪のないうそをついて人をかついでも許されるという風習。また、4月1日のこと。あるいは、かつがれた人のこと。四月ばか。万愚節。《季 春》[補説]西洋もしくはインドに始まる風習で、日本...