水雲(読み)モズク

デジタル大辞泉 「水雲」の意味・読み・例文・類語

もずく〔もづく〕【水雲/海蘊】

モズク科の褐藻。静かな内湾ホンダワラ類に着生し、春から初夏にかけ繁茂。茶色で柔らかく、糸状で、よく分枝して房のように見え、ぬるぬるしている。酢の物にして賞味。もぞく。もくず。もぞこ。 春》「汐鳴のこひしさに買ふ―かな/青畝
[類語]緑藻緑藻植物紅藻紅藻植物褐藻青味泥あおみどろ青海苔海苔布海苔馬尾藻ほんだわら鹿尾菜ひじき若布昆布荒布毬藻

すい‐うん【水雲】

水と雲。転じて、大自然。雲水
流れる水や行く雲のように漂泊し、行脚あんぎゃすること。また、その僧。雲水。「水雲の僧」

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精選版 日本国語大辞典 「水雲」の意味・読み・例文・類語

すい‐うん【水雲】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 水と雲。雲水。また転じて、大自然。
    1. [初出の実例]「放開線路、且聴水雲往来」(出典空華集(1359‐68頃)一九・一無二住清見江湖疏)
    2. [その他の文献]〔王昌齢‐巴陵送李十二詩〕
  3. 水や雲のようにとどまることなく行脚(あんぎゃ)すること。また、行脚の僧。雲水。
    1. [初出の実例]「水雲生計、久錬精比神丹」(出典:東海一漚集(1375頃)二・江湖請大喜住浄玅疏)
    2. 「ともなふ人ふたり、浪客の士ひとり、ひとりは水雲の僧」(出典:俳諧・鹿島紀行(1687))

もずくもづく【水雲・海蘊】

  1. 〘 名詞 〙 褐藻類モズク科の海藻北海道から九州にかけて日本海・太平洋沿岸に分布し、ホンダワラ・ツルモなど大形の海藻に着生する。葉状体は粘質の糸状、不規則に分岐して樹枝状を呈し長さ三〇センチメートル以上に達する。全体暗褐色、先端に近づくにつれて淡褐色になる。酢の物にして食用にされる。もぞこ。もうぞこ。もぞく。もくず。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「母豆久 六斗」(出典:正倉院文書‐天平六年(734)五月一日・造仏所作物帳)

もぞく【水雲・海蘊】

  1. 〘 名詞 〙もずく(水雲)
    1. [初出の実例]「ほしておく・かべにもぞくをべったりと」(出典:雑俳・野良帽子(1705))

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普及版 字通 「水雲」の読み・字形・画数・意味

【水雲】すいうん

水と雲。また、水上の雲。〔淮南子、覧冥訓〕山雲、水雲は魚、旱雲は火、雲(しんうん)は波水のごとし。各其の形に象るは、之れに感ずる以(ゆゑん)なり。

字通「水」の項目を見る

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動植物名よみかた辞典 普及版 「水雲」の解説

水雲 (モズク・モゾク;モゾコ)

学名Nemacystus decipiens
植物。モズク科の褐藻

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

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