若布(読み)ワカメ

デジタル大辞泉 「若布」の意味・読み・例文・類語

わか‐め【若布/和布/稚海藻】

チガイソ科の褐藻外海の浅い所に生える。長さ約1メートルになり、暗褐色外見は根・茎・葉に分かれ、葉は羽状に切れ込む。成熟すると茎の両側にひだ状の胞子葉ができ、めかぶ・みみとよばれる。古くから食用とし、養殖もされる。にぎめ。めのは。 春》みちのく淋代さぶしろの浜―寄す/青邨
[類語]緑藻緑藻植物紅藻紅藻植物褐藻青味泥あおみどろ青海苔海苔布海苔馬尾藻ほんだわら鹿尾菜ひじき水雲もずく昆布荒布毬藻

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「若布」の意味・読み・例文・類語

わか‐め【若布・和布・稚和布】

  1. [ 1 ] 〘 名詞 〙 褐藻類コンブ科の海藻。北海道南部から九州の沿岸の干潮線下五メートルほどの海底に生える。近年では養殖も盛んに行なわれている。葉状体卵形で不規則に羽状に深裂、全長一メートル、幅五〇センチメートルに達する。茎状部の左右に翼状の和布(めかぶ)があり胞子嚢(ほうしのう)を生ずる。生食するほか、乾燥させて食用とする。めのは。にきめ。めき。《 季語・春 》
    1. [初出の実例]「比多潟の磯の和可米(ワカメ)の立ち乱え我をか待つなも昨夜(きそ)も今夜も」(出典:万葉集(8C後)一四・三五六三)
  2. [ 2 ] ( 若和布 ) 狂言。和泉流。住持に酒のさかなにする若布を買ってこいと言われた新発意(しんぼち)が、詐欺師にだまされて若い女を買って帰り、住持に叱られる。二人は夫婦になる約束をし、本堂へ行って杯をかわし謡い舞ううち、騒ぎを聞きつけてやってきた住持に追い出される。

若布の語誌

海藻の総称である「メ」に、新生であることを表わす「ワカ」という美称を冠したもので、古くは特定の海藻を指す名称ではなかった可能性もある。中世になって、現在のように特定の海藻の名称として、辞書に載せられるに至ったと考えられる。節用集諸本や「温故知新書」等に「和布」の訓として、また「運歩色葉集」等に「若和布」の訓として見え、「日葡辞書」にも「Vacame(ワカメ)」とある。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

動植物名よみかた辞典 普及版 「若布」の解説

若布 (ワカメ・ニキメ)

学名:Undaria pinnatifida
植物。チガイソ科の褐藻

出典 日外アソシエーツ「動植物名よみかた辞典 普及版」動植物名よみかた辞典 普及版について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android