デジタル大辞泉
「江湖」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
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こう‐こカウ‥【江湖】
- 〘 名詞 〙 ( 古くは「ごうこ」とも )
- ① 川と湖。また、広く水をたたえたところ。特に、揚子江と洞庭湖。
- [初出の実例]「戸牖棊千峙、江湖帯一条」(出典:菅家文草(900頃)一・秋日山行二十韻)
- 「もとより山をうしろに江湖を前に、小嶋の心ゆかぬにはあらず」(出典:随筆・胆大小心録(1808)一五九)
- [その他の文献]〔荘子‐逍遙遊〕
- ② 世の中。世間。天下。
- [初出の実例]「Gǒcono(ガウコノ) ヨリアイ、または、ツキアイ」(出典:日葡辞書(1603‐04))
- 「君の名声倍々(ますます)江湖(コウコ)に鳴るを聞けども」(出典:花柳春話(1878‐79)〈織田純一郎訳〉八)
- [その他の文献]〔陶潜‐与毀晉安別詩〕
- ③ 都を遠くはなれたところ。また、隠士の住む所などにいう。
- [初出の実例]「昔は京洛声華とはなやかなる客たり、今は江湖の潦倒とおちぶれたる翁となりたり〈白居易〉」(出典:和漢朗詠集(1018頃)下)
- [その他の文献]〔南史‐隠逸伝・上〕
- ④ ⇒ごうこ(江湖)
ごう‐こガウ‥【江湖】
- 〘 名詞 〙
- ① 大寺名刹以外の江上・湖辺の禅寺。またそこに掛錫する僧。〔禅林象器箋(1741)〕
- ② 禅宗の世界。禅界。
- [初出の実例]「欲下把二一竿一作中漁客上、江湖近代逆風吹」(出典:狂雲集(15C後)題養叟大用庵二首)
- ③ 「ごうこそう(江湖僧)」の略。〔文明本節用集(室町中)〕
- ④ 「ごうこえ(江湖会)」の略。
- [初出の実例]「是を休玉わずんば、江湖を分散せんと云」(出典:仮名草子・片仮名本因果物語(1661)下)
- ⑤ ⇒こうこ(江湖)
江湖の語誌
中国で唐代に、馬祖道一が江西に、石頭希遷が湖南の地に住し、多くの僧徒がそのもとに集ったところから、禅宗の世界を江湖、禅僧を江湖僧、夏安居(げあんご)を江湖会(ごうこえ)と称する用法が生じた。
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例
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普及版 字通
「江湖」の読み・字形・画数・意味
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の江湖の言及
【佐賀[県]】より
…玄海側の高燥な上場台地に対し,有明側の佐賀平野はクリーク(堀)網の広がる低平な水田地帯をなし,その臨海部には広大な干拓地とノリひびの立つ干潟が広がる。満潮時には主要河川以外に,本庄江(ほんじようえ),八田江(はつたえ)など江湖(えご)と称する感潮河川をつたって海水が低平な平野内部に逆流する。クリーク網は,灌漑,排水,さらにかつては泥土揚げによる地力の維持など,肥沃な佐賀平野の米作農業を支えてきたが,近年,圃場整備事業でかなり姿を変えた。…
【佐賀[市]】より
…市街地は,[佐賀藩]万7000石の旧城下町で,佐賀平野独特のクリーク(堀)の多い沖積低地に広がり,嘉瀬川水系の水が,多布施(たふせ)川を経て,市街地の掘割や城濠に入り込む。一方,有明海の満潮時には,海水が本庄江(ほんじようえ),八田江(はつたえ),佐賀江などの江湖(えご)(干潟の中の細長い入江)を逆流し,市街地南部に迫る。雨季には市街地がしばしば冠水し,排水対策に追われてきた。…
※「江湖」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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